京都撮り歩き(84)東山山麓の山縣有朋別邸の無鄰菴を巡る

 今日の京都撮り歩きは南禅寺の通用門をでて、疎水沿いに市内中央に向かった、10分ほどにある、無鄰菴をご案内します。南禅寺界隈には多くの有名な庭園がありますが、ここも、忘れずに訪れてください。
 素朴な町家風の入り口ですが。中はさすが、明治の偉勲、山縣有朋が心血を注いだ、見事な庭園が広がります。疎水を引き込むため、「防火用水」として、申請したとあります。琵琶湖疏水の流用に気を使ったようです。名作庭家、小川治平の明治を代表する庭園です。
 サイホン方式で注がれる水は今でも遣り水のように、芝生の庭園の中を脈々と流れています。当時の別荘群の始まりで、現在も大手の会社の社用別荘が残った地域です。典型的な借景庭園で、都市の真中では珍しい、空間を提供し、国の名勝に指定されています。母屋の中から見る庭は格別の時間となります。しばし、庭内を散策しながら、日露戦争前の「無鄰菴会議」の洋館をご覧になられるのはいかがでしょうか。
 知る人が少ないのか、比較的、のんびりとした時間が過ごせました。特に、季節を選ばずにお勧めの庭園です。明日は清蓮院門跡をご案内します。

今日の寺社データ

ブログ公開日
2020/9/12
登録番号
京都撮り歩き(84)
場所名
無鄰菴
魅力メモ ウキペデア
無鄰菴は山縣有朋の別邸で七代目小川治兵衛の作庭。 「無鄰菴」と名付けられた山縣邸は三つある。最初の無鄰菴は山縣の郷里、長州・下関の草庵である。名前の由来はこの草菴に隣家がないことによる。 あるいは『論語』「徳不孤必有鄰」 "徳は孤ならず、必ず隣あり" にあるかもしれない。
アクセス・連絡先
地下鉄東西線 蹴上下車 徒歩北西約7分 市バス 神宮道下車 北東徒歩約10分
行き先分類
東山山麓の寺社
エリア①-1
南禅寺から銀閣寺への道
足を伸ばして一緒にいかが
永観堂、南禅寺、金地院、天授庵、南禅院、無鄰菴       
追加エピソード
この一帯にあって広大な境内に塔頭が立ち並んでいた南禅寺は明治初期の廃仏毀釈で、他の寺院と同じく寺領の上知を命ぜられ、境内の縮小や塔頭の統廃合を余儀なくされた。このとき上知された寺の土地はやがて民間に払い下げられた。琵琶湖からこの地に至る琵琶湖疏水が計画され、第一期工事が明治23年に竣工する。京都市や京都府は、この東山地区を風致地区として、将来の別荘地とする方針を取っていた。無鄰菴は、その別荘・別邸群の先駆けともいえる存在となったのである。無鄰菴に続くようにできた付近の別荘の作庭も、七代目植治がその多くを引き受けることとなった。
鑑賞ポイント
東山を借景とした近代的日本庭園
行事・特別公開
お勧め建物
「無鄰菴会議」の会場になった洋館
特殊建物
茶室
お勧め文化財
お勧め仏像
お勧め絵画
お勧め庭
国の名勝 東山を借景とした近代的日本庭園
パワースポット
花暦 花・時期
京都観光NAVI
明治・大正の元老山県有朋の京の別荘で1896年(明治29)に完成。庭園(名勝)は小川治兵衛の作。東山を借景とした明治の代表的庭園。平成4年から無鄰菴会議で知られる洋館も公開。現在市所有。庭園は疏水の水をとり入れ、三段の滝、池、芝生を配した池泉廻遊式庭園である。建設:母屋完成1896(明治29)年、洋館完成1898(明治31)年
その他情報1
建物は、簡素な木造二階建ての母屋、薮ノ内流燕菴(えんなん)を模したといわれる茶室、日露戦争直前の我が国の外交方針を決める「無鄰菴会議」の会場になった洋館の3つから成ります。
その他情報2
南禅寺界隈別荘群の中で唯一通年公開されている庭園で、昭和26年(1951年)に国の名勝に指定されています。洋館の2階には、伊藤博文らと山縣有朋が日露開戦に向けて話し合った「無鄰菴会議」に使われた部屋があり、当日の様子を今に伝えます。
公的案内資料
https://murin-an.jp/
近代的日本庭園
無鄰菴補足
広い庭園は山縣が七代目植治(小川治兵衛)に作らせたもので、山縣三名園に数えられる東山を借景とし明るい芝生に琵琶湖疏水を引き込み浅い流れを配した池泉廻遊式庭園で、近代的日本庭園の嚆矢とも言えるものであった。その広さは約3,135平方メートル無鄰菴に疏水を引き込む際、「防火用水」の名目が使われている。琵琶湖疏水の建設には多額の税金が掛けられているため、京都市としては「庭園のため」では許可出来なかったためである。


「無鄰菴入り口」です。うっかり通り過ぎる、民家風の建物です。

「無鄰菴庭園」です。東山を借景にした広大な庭園です。遣水が映えます
スライドも合わせてごらんください。異空間に入った感じです。
母屋・茶室・庭内詳細はスライドをごらんください。

「無鄰菴会議」の様子が洋館に保存されています。
明治の風情が残っています。
        

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