奈良撮り歩き(7)西の京の薬師寺を巡る

  今日の奈良撮り歩きは西の京の薬師寺をご案内いたします。奈良には薬師寺が3つ有ります。本薬師寺、新薬師寺、と今日ご案内の薬師寺となります。関係があるのは、本薬師寺で、橿原市にあり、遺功として金堂や東塔の礎石が残っています。最近の説によると、有る時期、両方の寺が存在し、飛鳥や藤原京にあった、寺院が平城京遷都(710年)に伴い、移ってきたといわれ、古い薬師寺が残り、新しく、西の京の薬師寺が建てられたようであります。

 一方、新薬師寺は病気平癒のため、天皇家が草創した寺で「十二神将像」で有名で、奈良市内の春日大社に近い土地にあり、今日の薬師寺とは関係がないようです。今日の、この、薬師寺幾度か火災で焼け、再建されたが、NHKのTvドラマに登場する、筒井順慶の戦火(1528年)により、東塔のみ焼け残ったそうです。

 今日の薬師寺は昭和の世に「橋本凝」と「高田好胤」管長が伽藍の再建に尽力され、次々と、堂宇が再建されて現在に至り、戦火でなくなった伽藍を再建されました。したがって、建物が、比較的に新しい寺院です。主な建物では、重文の南門、国宝の東塔です。仏像では一番の見所は薬師寺本堂の三尊像でしょうか。お勧め時期は花会式の頃がベストでしょう。三尊像以外にも素敵な仏像の宝庫です。

 先ず、本堂の薬師如来と月光菩薩と日光菩薩をご覧ください。金色に輝いていた像が、度重なる、戦火で、黒く輝いていますが、薬師様は浄瑠璃浄土におられ、昔から、人々の身近なお祈りをかなえてくれる、仏様です。月光菩薩と日光菩薩は3mを超える巨大な仏像です。薬師如来の台座に組まれた足に美しい輪宝がご覧になれます。さらに、この薬師如来像の台座は異形な浮き彫りのデザイン(邪鬼 国宝)が特に素晴らしいので、じっくりご覧ください。

 また、珍しい、仏足石の足跡の文の「瑞祥文七相」も見落とさないで、ご覧ください。お百度まいりの原型といわれています。筆者が訪れた時は、建物の見所の一つ、東塔の三重塔は改築中で見ることができませんでしたが、今年3月以降はご覧になれそうです。落慶法要を終えると、一般公開もされます。コロナもあり、訪れる時期は事前にチェックする必要があります。早く、優美な東塔の三重塔と、上部の水煙を見たいところです。

 薬師寺の仏像は見落としているのが、かなりあるようで、奈良は車で巡らずに、足で廻るべきと痛感しています。コロナが収まるとい先ず、ここの寺から訪れてみたい。今日は「原色日本の美術5」と「日本の仏像 奈良編」という、奈良の仏像に詳しい手許の資料*を基にできるだけ、グーグルで写真を検索して、スライド集に追加して、入れてみました。どちらも、大型本で、携行は困難ですが、事前に図書館でも、ご覧になれます。


 *「原色日本の美術5」奈良の寺院と天平彫刻 小学館編 S59年発行

  「原寸大日本の仏像 奈良編」講談社編 2008年発行

  「奈良 仏像めぐり」JTBパブリッシング編


「薬師寺案内図」です。唐招提寺に行く途中の
「玄奘三蔵院
」もお立ち寄りください。新しい建物ですが、
平山郁夫の「大唐西域壁画」がご覧になれます

薬師寺・唐招提寺付近案内です。近鉄「西の京駅」から徒歩数分に有ります。


今日の寺社データ



「南大門 重文」です。駅と反対の駐車場側にあります。

「薬師寺本堂」です。中に薬師三尊像がおられます。
詳細はスライドをご覧ください。

「薬師寺三重塔 東塔」です。現在改修中で、修理前の写真です。
裳腰、木組、水煙のデザインは愉しみでしょう。


薬師寺三重塔 西塔」です。比較的新しく朱色が素晴らしく、何年か後は
見事な建築物の風合いになります。




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