奈良撮り歩き(11)奈良高畑の新薬師寺をめぐる

 今日の奈良撮り歩きは奈良市高畑にある、新薬師寺をめぐります。山仲間と柳生街道を歩いた折、市街に入ってすぐに目に入る、立派な寺院です。これまで、いきたいと思っていた寺でした。春日大社からささやきの小路をとおり、旧志賀直哉亭をへて新薬師寺へのルートもお勧めです。閑静な住宅街にあります。生憎、いつものカメラが故障して、今日の、新薬師寺と、明日の白豪寺は自前の写真がなく、どうするか、悩んでいました。寺の公式HPに数多く写真があり、拝借して、ブログをまとめることにしました。

 ここ、新薬師寺は天皇家の病気平癒のため設立した寺で、西の京の「薬師寺」とは関係がありません。現在の寺有地は小さく、こじんまりしていますが、往時は1000人を超える僧と巨大な伽藍、堂宇を有す、大寺院でした。天平の塔に落ちた落雷による延焼と平安時代の嵐で主な堂宇がなくなり寺勢も衰えたようです。

 その後、鎌倉時代になって、この寺に住んだ上人(解脱、明恵)の手により、残った本堂に加え、現在の地蔵堂、南門、東門が建てられ、現存している姿の寺となっています。一番の見所は本堂におられる、薬師如来座像(国宝)と、とり囲む、12神将像(11像は国宝)でしょう。前週の秋篠寺の小さい12神将像も有名ですが、こちらは160cm近い体躯で周りを睥睨しています。薄暗い照明に照らされ、浮かび上がる像を間近で見たときの感動は忘れません。是非、しばし、佇んでごらんください。元は近くにあった岩淵寺から移設されたようです。

 仏像群は奈良時代の作品でそこかしこに色々に彩られた名残が見られます。12神像の特徴を、簡単に記しておきます。詳細は公式HPやウキペデア、仏像「奈良の寺院と天平彫刻」*1、「日本の仏像奈良編」*2の解説書が詳しいので、参照ください。筆者は次の白豪寺の閻魔様に会いに行きましたが、もし時間が許せば、徒歩6分ほどで、旧志賀直哉亭もあります(暗夜行路はここで就筆)、ついでにいかがでしょうか。別の案内書では春日大社ー旧志賀直哉亭-新薬師寺ー白豪寺の順で徒歩コースがありました。

  参考資料

  *1原色日本の美術3 小学館

  *2 日本の仏像 奈良編 講談社 


新薬師寺案内図」です。高畑バス停からすぐにあります。目立たない寺院です。

「新薬師寺全景」です。明日の白豪寺へは15分ほど、閑静な住宅街をとおります。

「旧志賀直哉亭」です。数分のところにあった、右上が春日大社の森です。
今回、旧志賀直哉亭を見過ごしたようです。事前調査が不足していました。

今日の寺社データ




「薬師寺南門」です。重文に指定されている門です。

「新薬師寺本堂国宝」です。こちらの中に薬師如来座像と12神将像があります。
他、詳細はスライド集にまとめています。
本堂の鬼瓦は日本最古の鬼瓦といわれています。


「薬師如来座像と12神将像」です。壮観な姿で感激する仏像群です。




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