奈良撮り歩き(10)奈良市内の元興寺を巡る

 今日の奈良撮り歩きは奈良市内の元興寺をご案内します。近鉄奈良駅、JR奈良駅からも徒歩圏にあり、途中の奈良町で、古い町並み散策しながら15分から20分ほどで、この古い寺院に行くことができます。奈良町の見所は駅の案内所で、パンフレットがあります。ご参考にして、散策ください。ここと、興福寺は隣接していますので、一緒に廻られてもいいのでしょうか。あわせて、少し足を伸ばして名勝「旧大乗寺庭園」もお勧めの庭園で、是非、一息されては、いかがでしょうか。

 元興寺の前身は6世紀末蘇我馬子によって開かれた法興寺(飛鳥寺)でしたが、平城遷都に伴い今の地に移転され名も元興寺と改められました。飛鳥にはそのまま「飛鳥寺」が残っています。こちらの元興寺は「平城の飛鳥寺」といわれ、南都七大寺として、今の奈良町あたりも寺領として、栄えましたが、政府の権力が落ち、寺運も衰退したようです。

 その後、現在の僧房と禅堂を建て庶民の浄土信仰を集めた、元興寺となりました。「平城の飛鳥寺」の面影は土一揆で伽藍の大半が焼け、又、幕末にも五重塔も消失し、当時の僧房が本堂として、そして、禅堂が、残っているだけの、こじんまりとした、寺院です。寺の履歴詳細はHPを参照ください。

 見所は五重塔小塔(5.5m)で、消失した大塔の雛形といわれ、天平時代の建築物として、現存し、国宝に指定されています。もう一つは、本堂(国宝)は鎌倉時代の建築物ですが、飛鳥、奈良時代の古い瓦(行基瓦)が再利用され、現在も残っています。収蔵庫にいくつか、重文の仏像も保管されていますので、是非ご覧ください。

 境内には石塔と石仏が整然と並ぶ「浮図田」があり、石仏の間に咲く、桔梗の花と地蔵盆の灯火が素晴らしい、幽玄な世界をつくっています。又、所に可愛い子鬼が隠れています。訪れるのはこの頃がベストでしょうか。 筆者は境内のかわいい子鬼の姿を探し求めた記憶があります。


「元興寺付近図」です。写真左手が近鉄奈良駅方向で
ならまち大通りは上にあります。右上が興福寺猿沢池

「元興寺全景」です。街中のこじんまりとした、古いお寺です


今日の寺社データ




奥が本堂、手前が禅堂で。いずれも国宝、屋根瓦には
古い行基瓦が混じっています。境内詳細はスライドをご覧ください。


「五重小塔」です。天平時代の建築物で国宝に指定されています。

境内の「浮図田」です。石塔と石仏が整然と並んでおり、
お盆には灯火されるようです。間には桔梗が咲き揃います。
可愛い、こ鬼がいくつかおられます。


       

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