週末のオペラのご案内(第38回)ワーグナーの「パルジファル」
今週のオペラはワーグナーの「パルジファル」を選びました。3幕で4時間10分と長大なオペラで「舞台神聖祝典劇」といわれています。東洋人にとっては、なかなか理解できない宗教上のテーマです。ワーグナーの死の前年に作られたとあります。完成度が高くて、音楽もゆっくりしたテンポで進み、一度好きになったら、忘れられない、最高傑作の一つにあげられるオペラです。
このオペラは演出の仕方によって大きく違うようです。今回はNHK-BSの放送番組で楽しみました。バイロイト祝祭劇場での作品でした。ご存知のように、バイロイト祝祭劇場はワーグナー自身が自分のオペラを上演する目的で作り、現在、最もチケットの入手が困難な劇場といわれています。
NHK-BSの放送は2016年のバイロイト祭(毎年7月末ー8月下旬 ワーグナー作品の上演)での録画です。観客席からオーケストラピットが見えないので客席と舞台の間が近く、見る側に配慮した設計となっています。今回の演出は極めて、強烈で、これまで、見たオペラのイメージを覆すものでした、快楽・本能・裏切り・信仰・敬虔・従順など、人間が経験する事柄を「これでもか」と見せつけるオペラです。いささか疲れました。
一人で聖女と魔女も演じる「クンドリー」役の演技が特に素晴らしい。若者を神託を受けた人と見極める識者のグルネマンツ騎士の役割は重要。
ストーリーを簡単にいいますと「城主(アルフォンタス・聖杯守護者)は魔術師(クリングゾール)のたくらみで聖槍を奪われ、傷ついてしまった。城主を救えるのは無垢で愚か者と見られた神託を受けた若者(パルジファル)だった。魔術師の命をうけ、若者を誘惑する魔女(クンドリー)は失敗に終わり若者は聖槍を奪い返し、城主の傷を癒す神託を行使でき、最後は自ら後継者となった。」というお話しでした。
前書きが長くなりましたが、このオペラのデータを下記に示します。
今週のオペラデータ
①作品共通データ | 第38回 | |
公開日 | 2017・7・14 | |
作曲家名 | ワーグナー | |
国名 | ドイツ | |
作品名 | パルジファル | |
幕数 | 3幕 | |
上演時間 | 4時間10分 | |
有名な合唱曲、アリア | ||
主な登場人物 | パルジファル 聖なる愚かもの | テノール |
グルネマンツ 聖杯守護の騎士 | バリトン | |
クンドリー 二面性を持つ女 | ソプラノ | |
クリングゾル 魔術師 | バリトン | |
参考文献 | オペラガイド130選 116 山田治夫編 | |
オペラ鑑賞事典 144 多田鏡子著 | ||
オペラの魔力 NA 砂川稔著 | ||
ウキペデアコメント | 舞台神聖祝典劇『パルジファル』は、リヒャルト・ワーグナーが1865年、バイエルン国王ルートヴィヒ2世のために書いたオペラ。全3幕。原語ドイツ語。台本も作曲家自身による。中世スペインのモンサルヴァート城及びクリングゾルの魔の城を舞台とする。 初演は1882年7月26日、バイロイト祝祭歌劇場。 ウィキペディア | |
完成: 1882年1月13日 | ||
作曲家: リヒャルト・ワーグナー | ||
原作: パルツィヴァール | ||
初演: 1882年7月26日 | ||
脚本: リヒャルト・ワーグナー | ||
プロの推薦CD&DVD | カラヤン ベルリンフイル | |
ショルテイ ウイーンフイル | ||
テイーレマン ウイーン国立歌劇場 | ||
クナッパーツブッシュ バイロイト祝祭菅 | ||
NO. | 38 | |
作曲家名 | ワーグナー | |
国名 | ドイツ | |
作品名 | パルジファル | |
鑑賞辞典推奨頁 | 492 | |
レコ芸500推薦番号 | 521 | |
その他推奨本名 | ||
整理番号 | 35 | |
同演目公開回数 | 初 | |
コンテンツの種類・本 | NHK-BS放送 | |
演奏日・放送日 | ||
指揮者 | ハルトムート・ヘンヒェン | |
楽団・合唱団 | バイロイト祝祭管弦楽団 | |
演奏場所他 | 2016年7月25日 バイロイト祝祭劇場 | |
コンテンツ詳細 ウキペデア他より | パルジファル 聖なる愚かもの | クラウス・フロリアン |
グルネマンツ 聖杯守護の騎士 | ゲオルク・ツェッペンフェルト | |
クンドリー 二面性を持つ女 | エレーナ・パンクラートヴァ | |
クリングゾル 魔術師 | ゲルト・グロホウスキ | |
2016年のバイロイト音楽祭から、新演出となったワーグナー最後の大作をお届け。タイトル・ロールのクラウス・フロリアン・フォークトが最大の注目だが、クンドリ役のエレーナ・パンクラートヴァ、グルネマンツ役のゲオルク・ツェッペンフェルトはじめ他のキャストも充実。ウヴェ・エリック・ラウフェンベルクの演出は、宗教的救済という作品本来のテーマに、現代の世界情勢を大胆に重ね合わせたもので、大きな反響を呼んだ。 |
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公開Youtube より | ワーグナー《パルジファル》第2幕 クナッパーツブッシュ指揮(1951 . | |
ワーグナー 《パルジファル》全幕 クナ指揮 - YouTube | ||
Richard Wagner: Parsifal (Bayreuth Festival 2012) - YouTub | ||
Wagner - Parsifal Full - YouTube | ||
Parsifal - YouTube |
舞台下から指揮者ハルムートと 私服姿で現れたバイロイト祝祭管弦楽団 |
これまでお勧めしたワーグナーオペラ作品の公開日・幕数・所要時間一覧を下表にまとめました。 是非、ワグナーにはまってください。
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