続自由時間のクラシック(522) 不滅の巨匠１００からＶｎ奏者のNathan Milsteinを聴く

 今日の続自由時間のクラシックはＶｎの貴公子といわれる「Nathan Milstein」のアルバムを選んでいくつか聴いてみることにします。７２年間もＶｎ演奏をされた方とは初めて知りました。、ウキペデアによると「ミルスタインという名前は、音楽を聴く一般の人々の間ではめったに言及または知られていません。当時も今も彼を支持しているプロのヴァイオリニストやミュージシャンの尊敬と称賛を考えると、これは悲しいことです。しかし、この問題は簡単に説明できます。」とあります。

　「ミルスタインは「売る」ことができる「商業的」なミュージシャンではありませんでした。むしろ、彼は有名人の要求に反発し、宣伝にあまり甘んじることはありませんでした。」とも有ります。「傑出した超絶技巧の持ち主ではあったが、それを前面に押し出す演奏には消極的だった。むしろイザイを通じて身につけた、歌心と美音を尊重するフランコ・ベルギー楽派の優美な演奏スタイルが際立っている」とあるので、知っている人も少ない、地味な演奏家でしたそうです。

　レコ芸５００でも１４点だけで、手許のアルバムも、１５枚ほどと、少ない演奏家ですが、Ｙｏｕｔｕｂｅで検索すると、演奏期間も長いからか、驚くほどのアルバムがみつかります。指南書が推すアルバムを中心に検索した結果は下の通りとなりました。短い曲は省いていますが、ＪＳバッハを中心にベートヴェン、ブラームス、他、有名なＶｎ協奏曲は殆ど聴くことができます。人となりはウキペデア（経歴）が詳しいので、一読ください。

　興味ある点をピックアップしますと、「ミルスタインの音色 は実は非常にユニークでした。第一に、それは聴衆を驚かせた貴族的な落ち着きを持っていました。コンサートでの彼の威厳のある外観は、彼が持っていたこのイメージを補強しました。トーンは銀色として最もよく説明されました。しかし、1950年代の特定の録音では、この銀色のトーンは、奇妙な録音品質のために非常にシャープでリスナーの耳に突き刺さるように見えました（実際にはまったく悪いものではありませんでした）。悲しいことに、これは彼にかなり悪い評判をもたらし、リスナーから反ミルスタイン人を生み出しました。

又、「彼のイントネーションのテクニックと正確さは、ハイフェッツに次ぐと言われていました」とあります。ブログを書きながら聴いた「ミルシテンの芸術」は秀逸のアルバムで特にお勧めですが、Ｙｏｕｔｕｂｅではみつかりませんでした。

　今日は膨大なリストから先ずＶｎソナタ曲を手始めに「 Beethoven - Violin Sonata Op 47 」、「Brahms Violin Sonata no. 3」、「TCHAIKOVSKY Violin Concerto」と「Lucerne Festival Historic Performances: Nathan」の４点を選んで聴いてみることにします。バッハは紙面の都合で省いていますが、先ず、バッハ、ベートーヴェン、ブラームスの順で、いかがでしょうか。

今日のお勧め曲

公開日 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　２０２１・１２・０8

演奏家名 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Nathan Milstein

読み 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ナタン・ミルシテイン

音源 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ｙｏｕｔｕｂｅ

出生地： 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ウクライナ オデッサ

死亡： 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　1992年12月

分類 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ｖｎ奏者

知名度 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　巨匠　

クラシック不滅の巨匠１００　２００８他　推薦

・ ４大Ｖｎ協奏曲集のうち３点　（メンデルスゾーン、チャイコフスキー、ブラームス）

・ ベートーヴェン　Ｖｎソナタ９番、パガニーニ他（ミルシテンの芸術）

・ ブラームスＶｎソナタ３番（ザルツブルグ祝祭音楽祭）

・ ＪＳバッハ無伴奏Ｖｎのためのソナタとパルテータ

・ ブラームス　二重協奏曲

・ ヘンデル　Ｖｎソナタ作品集

人となりウキペデアより抜粋 ナタン・ミロノヴィチ・ミルシテインはウクライナ出身のユダヤ系ヴァイオリニスト。英語読みではネイサン・ミルスタイン。ウラジミール・ホロヴィッツと知り合い、意気投合し、しばしば共演するようになり、1925年には西ヨーロッパでの演奏旅行も一緒に行なった。この頃にはウジェーヌ・イザイの門も叩いている。1929年にストコフスキー指揮のフィラデルフィア管弦楽団によりアメリカ・デビュー。ついにニューヨークに居を構えるが、たびたびヨーロッパで演奏旅行にとり組んだ。1942年にアメリカ合衆国の市民権を取得。89歳の誕生日を目前にイギリスで没した。

推薦図書

・ レコ芸５００　２０１７

・ クラシック不滅の巨匠１００　２００８　◎

・ クラシック不滅の名盤２００７

・ 名盤鑑定百科各篇　吉井

・ モーツアルト　名盤大全

・ 私だけのクラシック１００１　宮城谷

・ 200ＣＤヴァイオリン

・ ヴァイオリン・チェロの名曲名演奏　渡辺　◎

手許ＣＤ（約１５） 詳細は添付資料

Youtube検索結果より　

・ Bach - Sonatas n°1 & n°3, Partita n°2 - Milstein live 1957

・ Bach by N.Milstein - Sonatas & Partitas, Chaconne for solo violin 

　　　　　/ NEW MASTERING (Century's record)　★★★

・ Nathan Milstein - Sonates et partitas - J.S. Bach

・ J.S. Bach, Sonata No.3 for Solo Violin in C Major, BWV.1005 / Nathan Milstein ( 1975 )

・ Bach, J.S. Partita No. 3 in E, BWV 1006

・ Nathan Milstein: J.S. Bach - Partita in D minor, BWV 1004 "Chaconne"

・ Beethoven Violin Concerto Nathan Milstein 

　　　　　The Pittsburgh Symphony Orchestra William Steinberg 1955

・ Nathan Milstein: Beethoven - Violin Sonata Op 47 No. 9 "Kreutzer Sonata"　★★

・ Concerto for Violin and Orchestra in D major, op. 61 - Nathan Milstein

・ Beethoven / Mendelssohn - Violin Concerto + Presentation 

　　　　　(reference recording : Nathan Milstein)　★★★

・ Nathan Milstein - Beethoven - Violin Sonata No 5 in F major, Op 24

・ Nathan Milstein - Brahms - Violin Concerto in D major, Op 77

・ Brahms: Double Concerto in A minor, Op. 102 - Nathan Milstein, 

　　　　　Gregor Piatigorsky, Fritz Reiner　★

・ Concerto for Violin in D Major, Op. 77: I. Allegro ma non troppo 

　　　　　(Cadenza By Fritz Kreisler)

・ Nathan Milstein & Vladimir Horowitz - Brahms Violin Sonata no. 3　★★

・ Brahms: Violin Concerto, Milstein & Fistoulari (1960)

　　　　　 ブラームス ヴァイオリン協奏曲 ミルシテイン★　

・ Nathan Milstein - Mozart - Violin Sonata No 17 in C major, K 296

・ Mozart: Violin Concerto No. 4 in D major, K. 218 - 

　　　　　Nathan Milstein, Philharmonia Orchestra

・ Lalo Symphonie Espagnole Nathan Milstein St. Louis Symphony 

　　　　　Orchestra Vladimir Golschmann 1955

・ Nathan Milstein - Mendelssohn - Violin Concerto in E minor, Op 64

Violin Concerto in E Minor, Op. 64

・ Tchaikovsky / Nathan Milstein, 1961: Violin Concerto in D major, 

　　　　　Op. 35 - Steinberg, PSO - Complete　★★

・ Nathan Milstein: El maestro de la inventiva - 

　　　　　Algunas memorias de un mago discreto | Parte 1

・ Nathan Milstein plays Vivaldi Concerto in D minor op.3/ no.11/ RV565, 

　　　　　movement 3 (1964)　★

・ Chopin : Nocturne in C sharp minor op.posth (Arranged by Nathan Milstein)　★★★

・ Nathan Milstein - Vivaldi - Concerto for 2 Violins, Op 3, No 11

・ Handel - Violin Sonata No.3 in A major Op.1 No.3 HWV361, Nathan Milstein　★

・ Nathan Milstein - Handel - Violin Sonata No 4 n D major, Op 1　★

・ Bruch - Violin concerto n°1 - Milstein / Pittsburgh / Steinberg　★

・ Milstein plays Wieniawski Polonaise　★

・ Nathan Milstein - Wieniawski - Scherzo-Tarantelle, Op 16　★

・ Lucerne Festival Historic Performances: Nathan　　６点　★★

・ Nathan Milstein 'Paganiniana'　★★★

・ Nathan Milstein plays Vitali Chaconne　★

・ Milstein Paganini Capriccio no. 5

・ Milstein Plays Corelli's La Folia Variations　★

・ 追加検索ください。

演奏家追加情報 しばしば20世紀の傑出したヴァイオリニストのひとりに数えられており、ロマン派の作品ばかりでなく、バッハの無伴奏ヴァイオリン作品の解釈で知られた。多くの協奏曲のために独自のカデンツァを作曲しただけでなく、ヴァイオリンのために多くの編曲を手掛けている（中でもショパンの夜想曲の編曲は有名）。オリジナル作品では、パガニーニの主題による無伴奏ヴァイオリン作品≪パガニーニアーナ≫が近年とりわけ注目を浴びつつある。1975年にはグラミー賞を受賞、1968年にはレジオン・ドヌール勲章を受章。

「手許のMilsteinリスト」です。
意外に少ないですが、いいアルバムが揃っていました。

「Beethoven - Violin Sonata Op 47 No. 9 "Kreutzer Sonata"」です。
素晴らしい演奏です。是非お試しください。

「Tchaikovsky / Nathan Milstein, 1961: Violin Concerto」です。
お勧めのアルバムです。

「Brahms Violin Sonata no. 3　」です。
初めて聴く曲です。

「Lucerne Festival Historic Performances: Nathan」です。
いい曲が（右側リスト）揃っています。いかがですか