日曜日の古典落語(第58回)一眼国、元犬、包丁
「一眼国」は昔、見世物小屋のあった時代の怪談噺です。元犬は願を掛けて、うまく人間に変身し、奉公先での犬の仕草が残ったまま働く、短い噺。「包丁」は女に厭きたもてる男と間男の仕掛けを受けた頓馬な男が別れ話を相手の女に仕掛けるがうまくいくかという噺。
いずれも、手許には1枚しかない、演目でしたが、有名な噺だけにyoutubeにいくつか公開されている演目でした。簡単にストーリーを紹介します。
「一眼国」は新しい出し物探す香具師が諸国を巡礼する「八部衆」の情報を元に、一つ眼の女の子を探して、出かけ、うまく、見つけて、さらうが、村の衆に見つかり、裁判に掛けられることなった、判定はどうなったのか・・という噺、林家正蔵が十八番でいい語り。
「元犬」は八幡様に願を賭け、満願成就して、人間に変身できたが、犬の習慣までは簡単に変身できず、人間社会に入るが、奉公先でもとんでもない仕草を繰り出す。さてどうなるか・・15分ほどの噺で、上方の場合は
天神さんの付近の元白い犬。上方、「三枝」の名演が光る
「包丁」はイケメンの男が、世話になる師匠の女に厭き、別れ話を頓馬な悔男に間男になってくれと頼み、仕掛けを説明し、女の家に乗り込んだのだが、遂に、仕掛けもばらしてしまい、女の逆襲はどうなったかという噺。あまり、演じている人が少ないのか、手許には円生盤のみでした。上方の文珍も素晴らしい。
落語の解説は、多くの参考書や、ブログで細かく解説されています。しかし、通読するのもいいですが、やはり、聴くに限ります。最近は演者の語りだけでなく仕草も見れるDVDもYoutubeもあり、さらに面白さが倍増し手軽に楽しめます。
このブログのコメントや解説は読み飛ばして結構です、各演題を参考に視聴されることをお勧めします
今週のお勧め古典落語
日時 | 2017・4・9 | ||||
ジャンル | 落語 | ||||
音源 | CD | ||||
演者 | 林家正蔵 八代目 | 古今亭志ん生 | 六代目三遊亭園生 | ||
分類 | |||||
演題 | 一眼国 | 元犬 | 庖丁 | ||
出典 | |||||
その他演者名 | 「一眼国」 春風亭柳朝 - YouTube | 古今亭志ん朝 「元犬」 - YouTube | 桂文珍包丁間男- YouTube | ||
古今亭志ん生(五代目) 一眼国* - YouTube | 落語:元犬 桂文我 - YouTube | ||||
三枝 元犬 - YouTube |
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推薦本 | 落語CD&DVD名盤案内 NA | 落語CD&DVD名盤案内 388 | 落語CD&DVD名盤案内356 | ||
古典落語これが名演だ (京須偕光編)94 | 古典落語これが名演だ (京須偕光編)122 | ||||
演題コメント | 初めて聴いた落語のようです。一眼国の意味が何だろうと思っていたがようやくわかりました。一眼国の話を聞いて、見世物にしようと捕まえに行った香具師が、子供を連れ去ろうとするが泣きわめかれ、逆に掴まってしまう。迷い込んだ村は一つ目ばかりの村、掴まった香具師はどうなったか? | 大人の童話のような噺で、前座芸といわれているが、べテランが演じると、一味違うようだ。八幡様へ願掛けをした白犬が人間になり、この犬を可愛がっていた上総屋が、変わった人間を捜している隠居の家へ連れて行く。 犬から変身した人間の仕草をいかに表現するかで旨さがでる噺 | 元は上方の噺で東京にも定着した。自立できていない男の噺で、若い女が出来て女房が鼻についた久次が、 しばらく振りで遇った寅に間男をして貰い、 包丁を持って乗り込む分かれ話を企てを持ち掛ける。女房も負けじと頑張る、さて、どうなるか、 | ||
筆者自身こんなに沢山、古典落語に演題があるとは思ってなく、ブログを作りはじめましたが、内容の深さと多さに驚いています。当初、100題程度が200題に変更しましたが、どうも300題以上はあるようです。
ブログを取り上げる上で、主な演者と演目を手許CDの数を、時代別にあげますと次の通りのようです。
ラジオの初期、ラジオ全盛、TV時代と媒体の変化が落語ブームに影響を与えているようです。()内は手許にある演題で落語界の巨匠の姿が見えてきます。最近はYoutubeで殆ど視聴でき、段々、個人のライブラリーが増えています。
①第1期 金馬(50)、文楽(18)、三木助(15)、志ん生(70)
②第2期 馬生(39)、円生(144)、小さん(68)、正蔵(41)、米朝(53)、文枝(55),松鶴(41)
③第3期 小三冶(33)、円楽(40)、志ん朝(28)、枝雀(59)、談志(29)
④第4期 権太楼(15)、志の輔(13)、文珍(21)・・・
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