京都撮り歩き(63)洛南の宝塔寺を巡る

 京都撮り歩きは伏見稲荷、石峰寺までこられたら、もう250mほど市街地を南下しますと、旧奈良街道に面した、この宝塔寺のたどり着きます。今日は数々の戦歴を生き延びたこの宝塔寺をご案内いたします。
 なぜ、この寺が特別かと言うと、筆者の好きな、古い門と多宝塔が存在するからです。余り知られていませんが、仁王門、鐘楼、石塔、太鼓楼もあるユニークな建物を持つお寺です。
 門は総門と仁王門の二つがありますが、目立たない総門の方が重要文化財になったおり、知らずに、この結界を通り過ぎるところです。切り妻造り、瓦葺きの四脚門で、資料*によると、この門の前で、都を守る大垣藩と攻め入る、長州藩との小競り合いを見てきた門だそうです。
 総門から仁王門にいたる参道を振り返ると、京都市街が展望できます。参道両側の塔頭も素敵です。仁王門を過ぎて、本堂、そして、右側に、こじんまりと建つ、多宝塔*が有ります。1400年代に建てられ、こちらも、重要文化財となっています。瓦の葺き方が「行基葺き」といわれる、珍しい形だそうです。
仁王門の「花天井絵」と本堂脇(「太鼓楼」と呼ばれる建物の下から登る「七面宮」も忘れずに見ておきましょう。なぜか、本堂は遠慮して失念したようです。御香宮神社は時間の都合、省略しました。時間が許せば、同時に足を延ばしましょう。来週は洛南の醍醐寺、歓修寺他を巡ってみます。

  *宝塔寺の門、多宝塔のお勧め資料
    ①京の門 京都新聞社篇  (京の主な寺社の有名な門の形状、寺の解説)
    ②古建築物の細部意匠 近藤豊著
    ③古建築入門講話 川勝著

今日の寺社データ

ブログ公開日
                                2020/6/21
登録番号
京都撮り歩き(63)
場所名
宝塔寺
魅力メモ ウキペデア
宝塔寺 (ほうとうじ)    山号 深草山  日蓮宗 藤原基経が発願し昌泰2年(899)に藤原時平が大成した極楽寺に始まる。当初は真言宗。徳治2年(1307)に住持の良桂が日蓮の法孫・日像に帰依し日蓮宗に改めた。
アクセス・連絡先
京阪深草駅から、東700m 徒歩 20分ほど 石峰寺から250mほどの距離
行き先分類
洛南の寺社
エリア分類11-2
伏見稲荷から深草・桃山をめぐる
足を伸ばして一緒にいかが
伏見稲荷大社、石峰寺、宝塔寺、(御香宮神社)
追加エピソード
日像が京都に通じる七つの街道の入口に建てた法華題目の石塔婆の一つが、当寺の日像廟所に奉祀されたことにちなみ、寺名を「宝塔寺」と改称したとされる
鑑賞ポイント
行基葺(ぎょうきぶき)の多宝塔、太鼓楼
行事・特別公開
お勧め建物
本堂、行基葺(ぎょうきぶき)の多宝塔、室町時代中期建立の四脚門、本堂 、太鼓楼
特殊建物
多宝塔、太鼓楼
お勧め文化財
お勧め仏像
お勧め絵画
仁王門の「花天井絵」
お勧め庭
パワースポット
花暦 花・時期
京都観光NAVI
寺伝によれば、藤原基経(もとつね)が発願し、昌泰2年(899)藤原時平(ときひら)が大成した極楽寺(ごくらくじ)が起りと伝え、当初真言宗系の寺であったが、徳治2年(1307)住持良桂(りょうけい)が日蓮の法孫日像(にちぞう)に帰依して、日蓮宗に改められた。また、日像が京都に通じる七つの街道の入口に建てた法華題目の石塔婆の一つを、当寺の日像廟所に奉祀したことに因み、寺名を寶塔寺と改称した。本堂は、慶長13年(1608)の創建で、堂内には、十界曼荼羅・釈迦如来立像及び日蓮・日像の像を安置している。行基葺(ぎょうきぶき)の多宝塔は永享11年(1439)以前に建立されたもので、室町時代中期建立の四脚門(しきゃくもん)(総門)とともに、国の重要文化財に指定されている。本堂背後の七面山(しちめんさん)には、寛文6年(1666)に勧請された七福吉祥の七面大明神(しちめんだいみょうじん)を祀る七面宮があり、そこからの眺めも素晴らしい。伏見区深草宝塔寺山町
その他情報1
宝塔寺・七面宮を案内しています。 ... 七面大明神とは、釈尊の応化身であり、法華信仰の守護のために、身延山の西の七面山の頂に、鬼門封じのために垂迹示現した吉祥天という
その他情報2
はじめは約1100年前の嘉祥時代に、大事にしていた琴の爪を竹田芹川で失った仁明天皇が、後の摂政関白藤原基経(もとつね)に探すように命じたところ、基経は「爪を見つける事ができたら、この地に伽藍を建立する」という誓いをたてて大伽藍極楽寺を建立したのが起こり。真言律宗極楽寺と称して源氏物語の舞台の一つになっていました。鎌倉時代、徳治二年(1307)日蓮聖人により日蓮宗に改宗されました。総門から仁王門までの長い道の左右にはかつての塔頭の寺々が並んでいます
公的案内
 


「宝塔寺総門」です、重文の四脚門です。ここから仁王門まで
緩やかな階段の参道となります。

「仁王門」です。こちらは比較的新しい門です。
(江戸時代中期、1711年)
内部の「花天井絵」をご覧ください。

重文の多宝塔です。境内詳細はスライドにしております。
スライドは停止すると、普通の写真でご覧いただけます。

        



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