日曜日の古典落語(第66回)ちりとてちん、三枚起請、粗忽の使者、文珍・喬太郎の20名演集
今週の古典落語は「ちりとてちん」、「三枚起請」と「粗忽の使者」の3題を選びました。「ちりとてちん」は「酢豆腐」と言う演題と同じですが、あえて、別メンバで紹介してみました。落語の場合は別名で、同じ演題が演じられることがかなりあります。 特に、上方版では関東の演題が別名(逆もあります)で演じられることが多いようです。
一般的に演題数は300題ぐらいと思われていますが、同名、上方版まで考えると、400題を超えるようです。出来れば、解説本で、確かめることが必須です。しかし、東西の表現の違いを楽しむのも落語の愉しみの一つです。演者ごとに前口上は当然違いますし、噺も少し変えたりしていますので、、厳密には同じ噺ではない事になります。やはり、自分の好きな演者を中心に数人を比較して違いを楽しむのがよいと思います。
今週の噺のストーリを簡単に説明します。「ちりとてちん」は何かに付け生意気で、素直でない男を懲らしめようと一計を考え、腐った豆腐を長崎名物「ちりとてちん」と名を付けて食べさせると言う噺、最近、亡き、志ん朝の再来と思える、噺のうまい、柳家さん喬を特に選んでみました。
「三枚起請」は非常に有名な廓噺で、東西とも、多くの演者のCDが残っています。熊野の烏が朝寝のじゃまと言う落ちも面白いが、そろいも揃ってだまされる、鼻の下の長い男連中のなさけなさが面白い噺です。
「粗忽の使者」は恐らく、初めて聞いた噺と思いますが、口上の言い忘れを防止するために尻をつねってくれる人が見つからず、大工のくぎ抜きで尻をつねることになったが、肝心の口上を聞かずに訪れたと言う、頓馬な使者の噺です。別名『尻ひねり』と言う題と同じです。意外と演者が少ない演目でした。小さんがうまい語りです。
①今週の落語
日時 | 2017・6・11 | ||||
ジャンル | 落語 | ||||
音源 | CD | ||||
演者 | 柳家さん喬 | 古今亭志ん生 五代目 | 五代目柳家こさん | ||
分類 | |||||
演題 | ちりとてちん(酢豆腐) | 三枚起請 | 粗忽の使者 | ||
出典 | |||||
その他演者名 | 桂文我(三代目) | 柳家さん喬 | 古今亭志ん朝 粗忽の使者 - YouTube | ||
春風亭昇太 落語「ちりとてちん」 - YouTube | 古今亭志ん朝 三枚起請* - YouTube | ||||
五代目柳家小さん 「ちりとてちん」 - YouTube | 五代目 桂文枝 上方 | ||||
桂米朝 | |||||
桂文珍 | |||||
推薦本 | 落語CD&DVD名盤案内 206 | 落語CD&DVD名盤案内 174 | 落語CD&DVD名盤案内 218 | ||
志の輔100席 | 志の輔100席 | 古典落語のCD名鑑328 | |||
古典落語 これが名演 234 | 古典落語 これが 名演 115 | 志の輔100席 | |||
演題コメント | 酢豆腐で演じられていますが、今回は別メンバで「ちりとてチん」で登場しました。食通を気取っているキザな若旦那がやって来たので、 「珍しい物を貰ったが食べ方が判らない」と騙し、 腐った豆腐を食べさせる。 | 起請を貰い喜んでいた男達が、 三人とも同じ女郎からのものだとわかり問い詰めに行くが、 女郎は「騙すのが商売だ」と居直る。熊野の烏のたたりも花魁の朝寝の邪魔はさせないという何枚書いても平気という噺 | 裏のない愛すべき人物の噺です。使者として赤井御門守の屋敷へ行った治武太治部右衛門が肝心な口上を思い出せずに、 「尻をつねって貰うと思い出す」と言う。つねり具合を間の属せず、遂に釘抜きを使うことになる。さてどうなるか | ||
②桂文珍と柳家喬太郎の落語
今週は、現在、人気の高い上方の文珍と東の喬太郎の落語をそれぞれ、20題、Youtube で検索した結果を示します。文珍は50題以上、喬太郎は40題以上、公開されていますので、是非お試しください。
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