日曜日の古典落語(第67回)稲川、孝行糖、猫久、志の輔・さん喬の20名演集
今週の落語は「稲川」、「孝行糖」と「猫久」の3題を選びました。『孝行糖」と「猫久」は良く演じられるねたで、いくつかのCDが残っています。しかし、「稲川」はあまり演じられることの少ない演目です。
今週の噺で「孝行糖」は市中売り子の呼び声がまくら噺で取り上げ、語られる事が多いねたです。江戸時代は色々な売り子が市中を売り歩いたようで、落語で多くの売り子の噺があります。「時蕎麦」「うどん屋」等もそうです。落語の解説本ではないが、「大江戸長屋ばなし」という本があり、路地を行きかう行商人が詳しくでており、落語とあわせて楽しめます。行商・職人家業は長屋の住人の仕事の大きな一つで、たくましく生きていたようです。長屋の住人は落語に取り上げられており、、庶民の生活ぶりが伺えます。是非、あわせて、お楽しみくさい。筆者はその②の資料を落語の背景の資料の参考にしています。話はそれましたが、今週の噺のストーリを簡単に説明します。
「稲川」は上方から,来た、強い力士が、実力があるにもかかわらず、評判がよくなく、あきらめて、帰ろうとするが、乞食に化けた、たにまちが菊川の度量を試し、無事。たにまち(河岸)の評価をえて、立派な関取になったと言う噺。
「孝行糖」は親孝行の少し、のろまな与太郎が、奉行所から褒章金をもらい、その金をもとに「孝行糖』の売り子になって、口上と商いが有名になったが、武家屋敷の番人に「うるさい」とこっぴどくたたかれ、どこが痛いと尋ねられて答えは?」という、おちがある噺。上方で文枝の語りもうまい。
「猫久」は言葉遊びの噺で猫久(人間)と猫の勘違いする、武士と熊さんのやり取り、武士は猫久のかみさんの振る舞いをほめる。熊さんは武士のほめ口上を何とか自分流に取り込もうとする、熊さんが自分かみさんの説明する駄洒落の多い噺。多くの、演者のアルバムが有りますが、小さん、談志はさすがにうまい
今週の古典落語
日時 | 2017・6・18 | ||||
ジャンル | 落語 | ||||
音源 | CD | ||||
演者 | 六代目三遊亭園生 | 三遊亭 金馬 三代目 | 五代目柳家こさん | ||
分類 | |||||
演題 | 稲川(関取千両幟) | 孝行糖 | 猫久 | ||
出典 | |||||
その他演者名 | 雷門助六(八代目)師匠の落語「稲川千両幟」 - YouTube | 五代目 桂文枝 | 立川談志 猫久* - YouTube | ||
「孝行糖」古今亭志ん五 - YouTube | 春風亭柳橋:猫久 - YouTube | ||||
柳家喬太郎 猫久 - YouTube | |||||
推薦本 | 落語CD&DVD名盤案内 NA | 落語CD&DVD名盤案内 124 | 落語CD&DVD名盤案内 302 | ||
古典落語 これが名演 176 | |||||
志の輔100席 |
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演題コメント | 関取りの稲川は勝ち続けるのに人気がない、 ある日稲川は蔑視せず 乞食がくれたそばを食べるが、その乞食は河岸の者の変装だった。試された関取、魚河岸をあげて、関取を応援したと言う噺 | 与太郎が孝行の徳により御上から青差し五貫文の褒美を頂いた。町内の肝煎りがそれを元手に、孝行糖を売り歩く飴屋にさせる。門番やかましいと殴られたか言ってみろ」飴売りは、泣きながら体を指差して、「こぉこぉとぉ(=ここと)、こぉこぉとぉ……」 | 猫久という男の女房の仕草と同じ長屋の熊さんの粗忽噺で、武家が猫久を猫と聞き間違え猫退治を申し出るが、良く噺をきいて、美談で納得し、逆にほめる、熊さんが早速まねをして自分の女房に魚泥棒の常習犯 猫をすりこ木で叩こうとするが、どうなるか | ||
その② 落語の背景となる、面白い本
落語の背景となる本が数多く出ています。文庫本ですが、簡単に手に入りますので、是非、合わせて、お試し下さい。
江戸の知られざる風俗 | 渡辺信一朗 | ちくま新書 |
江戸300年 天下の町人 | 西山・芳賀 | 講談社現代新書 |
大江戸長屋話 | 興津要 | PHP文庫 |
お江戸の職人 素朴な大疑問 | 中江克己 | PHP文庫 |
百年前の東京絵地図 | 山本駿次朗 | 小学館文庫 |
大江戸生活百貨 | 北村鮭彦 | 新潮文庫 |
お江戸でござる 杉浦日向子 新潮文庫
大奥の謎を解く 中江克己 PHP文庫
大奥の謎を解く 中江克己 PHP文庫
大江戸番付事情 石川英輔 講談社文庫 |
その③
前週に続き、志の輔、柳家さん喬の落語の演目がYoutubeで公開されてましたので、ご紹介します。
どちらも40点以上公開されています。是非、お試しください。次回はベテラン演者を取り上げてみます。
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