日曜日の落語(第49回)淀五郎、茶の湯、権助芝居
芝居噺は、ある程度、背景を知っておく必要が有りますが、円生のように前説明があると、判りやすい、登場するキャラクタの持ち味を充分は発揮する演者の実力を要する噺でした。
「淀五郎」は抜擢された、役者が座長に気に入ってもらえず、自殺を図ろうとするが、諭されて、理由を知り、まじめに稽古して、ようやく、認められたという、苦労話、忠臣蔵の一シーンのやり取りと役者のジレンマをうまく演じた、円生の十八番
「茶の湯」は茶の作法を知らない隠居と定吉がとんでもない材料で、お茶をたてる、ついに周りの人間まで巻き込んだ、茶席、出てくる、お茶と茶菓子、作法と隠居の義理に振り回せられる、人間模様、抹茶の代わりに青黄な粉と椋の皮、羊羹の代替にふかし芋とは良く考えたもので、さすがに耐えれなくなって、便所からほり出す面々・・
「権助芝居」は一分茶番と同じ噺で、素人芝居の噺です。もち周りの役にいやな若旦那の替わりに、田舎芝居の経験ある、店の飯炊きの権助に代役を立てるというが、役割をしり、しぶるところを金を握らせ、台詞もカンニングをつくって、演じさせるがどうなるか・・
昔は歌舞音曲が規制され、素人芝居がはやった時代があったようで、蛙茶番という、落語演題もあるが、芝居の中身が異なる。権助芝居はYoutubeに円楽番がありましたが、他の演者の落語は見つけられなかった、淀五郎と茶の湯はいくつか、Youtubeで見つかりました。是非、お試し下さい。
今週の落語
日時 | 2017・2・05 | ||||
ジャンル | 落語 | ||||
音源 | CD | ||||
演者 | 六代目三遊亭園生 | 六代目三遊亭園生 | 金原亭馬生 10代目 | ||
分類 | 芝居噺 | 芝居噺 | |||
演題 | 淀五郎 | 茶の湯 | 権助芝居 | ||
出典 | |||||
その他演者名 | 林屋正蔵 | 三遊亭 金馬 三代目 | 三遊亭円楽(一分茶番) | ||
古今亭志ん生(五代目) 淀五郎* - YouTube | 柳家小三治 「茶の湯」 - YouTube | ||||
五街道雲助「淀五郎」 | Daikhlo | |||||
推薦本 | 落語CD&DVD名盤案内 414 | 落語CD&DVD名盤案内 252 | 落語CD&DVD名盤案内N/A | ||
古典落語これが名演だ (京須偕光編)227 | 古典落語CDの名盤 (京須偕光編)27 | ||||
演題コメント | この噺は初めて聴く噺です。歌舞伎の詳しい人は、理解できるが、まったく、なぜ、駆けつけないのか、不明だった、役者の世界は世襲で、誰でも。なれるという世界ではないようだ。また、格式を重んじる世界でもある。 | 大店の旦那、暇つぶしの道楽に茶の湯を始めるが、決まりを知らないので、似たような材料でやり始める。お呼びのかかるお茶の作法の知らない店子は困り果て、引越しも考える茶菓子も最初は本物の羊羹当てに、呼ばれた人はおなかがくだるのを我慢して、通ってくる。 | 権助の役は「有職鎌倉山」の「非人の権平」という泥棒の役で、体のいい口封じをされてしまうという散々な物。権助も何だかんだ言って逃れようとするが、そこは何とかなだめすかして幕を開けることにする。 | ||
円生の十八番で、歌舞伎への理解、演技力とも素晴らしい。若手で誰がやっているのだろうか、中村仲蔵に諭された、淀五郎は一晩で、役割をマスターして座長をお出ましさせることが出来た。 | しみったれた隠居、ついに茶菓子まで自家製にする。困った客はたまりかねて、お菓子をせっちんから畑に捨てる。近くのお百姓は投げられたおかしをみて、また、茶の湯か・・・ | 立ち回りの場面で本気で取っ組み合いを始めてしまったりとハプニング続出。蛙茶番と同じ素人芝居だが、登上人物が異なる |
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