日曜日の古典落語(第85回)泣き塩、長崎の赤飯

  今週の落語は「泣き塩」、と「長崎の赤飯」を選んでみました。どちらも、最近演じられる機会の少ない演題です、「泣き塩」は短い、珍しい噺ですが、東西の両巨匠のアルバムが残っています。
 最近は、文字が読めない人は殆どいませんが、当時はお武家さんでも読めない人がいたようです。最近は海外旅行で、英語ぐらいは勉強しておけばよかったと「手遅れを後悔』することになり、「泣き塩」を実感することになります。一般的にハンデイのある方を題材にすることは少ないようで、当時でも、宴席に字の読めない客は少なかったといわれています
 「長崎の赤飯」は手許に園生のみのアルバムが1枚だけ残っています、江戸と長崎は離れており、めったに起こらない話しの例えに「長崎から赤飯」が届くといわれたようです。長い噺ですが、大店の跡継ぎの息子が江戸と長崎の両方に必要とし、周りの人の苦労でうまく、勘当された息子も世帯を持ち、出来た孫を長崎へと大店がうまく維持できるという筋書き。簡単に二つの噺を説明します。
「泣き塩」は国の母親が大病している女中に来た手紙が読めないので、武士の頼んだが、武士は「手遅れ」と字を勉強しなかったことをくやむが、母が「手遅れ」と解釈し、泣く女中、なぜか、一緒に泣くひとがいる、天秤の男の仕事は「焼き塩や」という誤解が誤解を生むお噺
「長崎の赤飯」は江戸で勘当された大店の息子は長崎でやはり、大店の娘と一諸になり、嫁さんは懐妊している、江戸の親は偽病で息子を呼びもどす。跡取りにする予定で別の女性と婚姻を急がせるが、長崎から、乞食に変装した嫁が尋ねてくる、大店の雇員や周りの人が、苦労して、なんとか、長崎からきた嫁と一諸させることができた。出来た孫を長崎の大店を継がせ、江戸の大店は息子が継げた、節句人形を長崎の孫に送ると、お返しが「赤飯」だったというウソのようなお噺

今週の落語
日時 2018・4・08
ジャンル 落語
音源
演題 泣き塩(209) 長崎の赤飯(210)
演者 古今亭志ん生(五代目)泣き塩(焼き塩) 六代目三遊亭園生
分類
出典
その他演者名 名人・桂米朝の落語「焼き塩」 「長崎の赤飯」 三遊亭圓生
推薦本 落語読本 矢野誠一 95 落語読本 矢野誠一 153
志ん生滑稽噺し 253
演題コメント ヒトかけによらぬもので、武士ブシ当然トウゼン文字モジめると、女中が国から来た母親の手紙テガミんでくれとタノむと「無念ムネンじゃあきらめろ」とのこと、さて手紙テガミナカはなんとあったか?手遅れと泣く女中と傍でなく男は何者? 勘当カンドウした息子ムスコ長崎ナガサキからモドされたが、長崎ナガサキ結婚ケッコンしていた。息子ムスコヨメは既に懐妊カイニンしていた。カエってこない、息子ムスコタズねて、嫁は江戸エドてくる。姿スガタ乞食コジキだが、すぐにわかって、無事ブジオヤミトめてめでたし。出来デキマゴ長崎ナガサキ大店オオダナがせる。

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