日曜日の古典落語(第88回)質屋蔵、権兵衛たぬき

 今週の古典落語は「質屋蔵」と「権兵衛たぬき」を選んでみました。この2席は上方から、関東に移され、どちらでも演じられる演目です。筆者は関西育ちで、仕事と生活の大半は関東でしたので、東西の微妙な言葉のニュアンスが少しは判るはずですが、現在では筆者自身はどちらにも属さない言葉となっているようです。
 この質屋蔵という噺はまさに、そうで、東西で「ひちや」と「しちや」の発音の違いが有ります。出て来る幽霊はどちらも菅原道真公です。七も「ひち」と呼ぶのは関西人で、「渋谷」と「日比谷」がうまく発音できないのは、関東人です。
 どこかの国のように38度線こそないが、言葉と、食文化の線はあるようです。昔、シンガポールでの仕事で現地の人に「関西人」?「関東人」?と尋ねられた記憶がある。狭い日本でも発音と文化の違いが大きい。「東西贔屓」は何時までもなくならないのでしょうか?
 「かみさん」も子供達も関東、筆者はどこに骨をうずめるのだろうか。少し、噺がそれました。2席とも東西の名人のアルバムが手許にありました。さて、今日の落語を簡単に説明します。
質屋蔵」は質屋の蔵に夜になると幽霊が出る、調べに入った番頭と鳶頭、幽霊に頼まれたのはなんだだったでしょうか。最近は質屋も少なくなったようですが、お世話になったことがないので、流した記憶がない。
権兵衛たぬき」はこれは、毎晩いたずらに現れ、戸を叩く輩がいる、ある晩つかまえててみると、汚い狸、殺生しないで、髪を切るだけで助けたが、次の日も現れ、今度の要求は何でしょうかというお噺。
 演じる人の人物描写によって、違いが判る、面白い噺です。いつも思うのですが、落語は聴くのに限ります。いくら、解説を読んでも面白くありません。時間が許せば、東西の名人の語りをお試しください。

今週の落語
日時 2018・4・29
ジャンル 落語
音源
演題 質屋蔵(215) 権兵衛たぬき(216)
演者 六代目三遊亭園生 桂枝雀
分類
出典
その他演者名 桂米朝 三遊亭 金馬 三代目
桂枝雀 林家正蔵 八代目
桂枝雀 質屋蔵* 権兵衛狸/立川談志
桂歌丸 「質屋蔵」 三遊亭金馬 権兵衛狸
「質屋蔵」 柳家権太楼 桂枝雀 権兵衛狸*
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演題コメント 上方カミガタのねたで、質屋にアズけたものは、確実カクジツ利息リソクオサめないとナガれてしまう。な、質屋のクラにおけがるうわさがたち、番頭バントウと、トビカシラ調シラべにはいる。でてきたのはジクから道真ミチザネコウ番頭バントウかってアズヌシ利息リソクハラってくれとタノむ、ナガれないようにというおハナシ このハナシな「権兵衛ゴンベエ権兵衛ゴンベエ」とタズねてくる。トビラけてもダレない、何度ナンドタタくので、一計イッケイカンガえ、いきなりあけて、タタくものの姿スガタが、古狸フルダヌキとわかり、殺生セッショウをさけ、アタマカミるだけで、解放トキハナするが、ツギアラワれた、今度コンドは、狸はナニををってくれと頼のんなんだろうか。


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