続自由時間のクラシック〔650〕現代の名ピアニストのAnatoly Vedernikovを聴く

- 6月 07, 2022

　今日の続自由時間のクラシックはロシア出身で、リヒテルと並び称される、ピアニストの「Anatoly Vedernikov」のアルバムをいくつか選んで聴いてみることにします。最近のロシアはウクライナと交戦中で、早く、終戦を願うばかりで、ロシアの多くの音楽家も西側から、排除されているようで、残念です。政治的な発信はさけますが、早く平穏な日が来ることを祈るばかりです。

　今日の「Anatoly Vedernikov」も体制に抵抗した音楽家の一人で、十代なかばで、両親と引き離され、また、自身の信念に忠実に行動したため体制に迎合せず当局に睨まれ、海外での演奏活動が制限された音楽家の一人です。「ウエデルニコフ」の映像は殆ど現存しないが、2007年に演奏映像のDVDが公開された。幻のピアニストの一人です。体制に迎合しないと大変な状況に落ちいることを地で行ったピアニストでしょうか。

　指南書の「レコ芸５００（２０１７）」でも、多くのアルバム（１４点）の推薦があり、他の指南書でもいくつか、採りあげています。筆者の手許も１３点もありました、しかし、これまで、殆ど聴いた記憶がありません。代表的な演奏はＪＳバッハの作品といわれています。

　複雑な時世下でロシアの演奏者を採りあげることには躊躇しますが、今日は特別に「Anatoly Vedernikov」のアルバムをＹｏｕｔｕｂｅで追加検索してみました。随分、検索できました。指南書の推すアルバムが全て揃いませんでしたが、かなり、纏まりました。まだまだ、ありそうです。追加検索ください。やはり、多くの人の共感を得られる、ピアニストの巨匠の一人でしょう。

　「人となり」をいくつかピックアップしますと「十代なかばで、両親と引き離された。また、自身の信念に忠実に行動したため体制に迎合せず当局に睨まれ、海外での演奏活動が制限された。このことは、ヴェデルニコフの類稀なる能力が国外に広く発信できず、ロシア以外では存在すら殆ど知られないことの理由となった。ただし、当人が自分にはレコードがある、と発言したとおり音源資料が存在している。

「1980年代に入ると、ペレストロイカにより、ロシア（ソ連）以外での演奏活動もできるようになった。これは、ヴェデルニコフの人生における大きな変化となった。西側諸国での演奏会は好評を博した。しかし、時すでに遅く、西側から体系的に録音をする日は来なかった」とあります。

　又「ヴェデルニコフの演奏のレパートリーはとても広い。バロックからロマン派、印象派、現代音楽にいたるまでの音楽に精通しており、ロシア人で、リゲティの練習曲を、リゲティより年上のピアニストが、初めてライブで弾いたという事実は西側を震え上がらせた。」とありました。

また、「指の動きが速く、運指が優れ、ペダリングも清潔であったことから録音には都合がよかったことがわかる」ともありました。

手許には「Vedernikovの芸術シリーズ」が不充分で、ＪＳバッハのアルバムが不揃いでなく、これまで、聴いたことのない、「Scriabin 24 Preludes」を聴きながらブログをまとめ、膨大リストから「Beethoven 'Moonlight' Sonata」、「Prokofiev Sonata 7」「Bach English Suite No. 1」、「Debussy - Etudes」と「Schumann - Fantasie op.17」の５点を選んで聴いてみることにします。

紙面の関係で、多くの名曲・名盤を省いています、音質のよいアルバムがいくつかあります。上記にこだわらず時間の許す限り、名演奏をお愉しみください。検索すると、親父の演奏も混在しています。

今日のお勧め曲

公開日　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2022/6/7

演奏家名　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Anatoly Vedernikov

読み　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　アナトリー・ヴェデルニコフ

音源　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ｙｏｕｔｕｂｅ

出生地：　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　中華民国ハルビン市

生年　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　1920年5月

死亡：　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　1993年7月

分類　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　鍵盤楽器奏者

知名度　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　名ピアニスト

レコ芸５００＆２００ＣＤピアノとピアニスト推薦曲

・２０世紀ロシアのピアノ音楽

・ヴェデルニコフの芸術

・ＪＳバッハ　イギリス組曲＊、イタリア協奏曲＊

・ベートヴェン　ピアノソナタ１４番月光＊、１７番テンペスト＊３１番＊

・ブラームス　ピアノ小品集＊

・ショパン　ピアノソナタ２番＊

・ドビュッシー　ベルガマスク組曲＊

・モーツアルトピアノ協奏曲２３番＊、ソナタ１４番＊

・プロコフイエフ　ピアノソナタ７番　戦争ソナタ＊

・シューベルト　幻想曲さすらい人＊

・シューマン　交響的練習曲＊　ピアノソナタ２番

・ストラヴィンスキー　ペトルーショカからの３楽章＊

・ショスターコーヴィッチ２４の前奏曲とフーガ

・レコ芸５００　２０１７に１４点＊推薦

人となりウキペデア他よりアナトリー・イヴァノヴィチ・ヴェデルニコフは、20世紀を代表するロシアのピアニスト、音楽教育者。ロシア・ピアニズム、ネイガウス派の一人である。ヴェデルニコフはハルビンの生まれで、満洲や中国、日本で初期のキャリアを築き、東京に8か月間滞在してレオ・シロタのもとで腕をあげるなど、日本とも縁の深い人物。

推薦図書

・レコ芸５００　２０１７　音楽之友社　（最新版・名曲名盤）◎

・２００ＣＤピアノとピアニスト　立風書房◎

・２００ＣＤ　ピアノの秘密　立風書房　◎

・クラシック不滅の名盤２００７　音楽之友社

・名盤鑑定百科　各編　吉井著

・ピアノの名曲・名盤１０５３　音楽之友社　

・私だけのクラシック、宮城谷

手許ＣＤ（１９）詳細は下記

Youtube検索結果より　

　視聴回数の多い、短い曲抜粋

・ Anatoly Vedernikov plays Beethoven 'Moonlight' Sonata　★★

・ Anatoly Vedernikov plays Beethoven 32 Variations in C minor, WoO 80

・ Anatoly Vedernikov plays Chopin Ballade No 1 in G minor Op. 23

・ Debussy - Suite bergamasque - Vedernikov

・ Anatoly Vedernikov plays Prokofiev Sonata 7　★★

・ Anatoly Vedernikov plays W. F. Bach Concerto in F major - video 1984

・ Anatoly Vedernikov plays Prokofiev Divertissement op 43

・ Anatoly Vedernikov plays Stravinsky Petrushka

・ Anatoly Vedernikov plays Franck "Prelude, Fugue & Variation"

・ Anatoly Vedernikov plays Liszt "Lorelei"

・ Anatoly Vedernikov plays Debussy Suite Bergamasque

・ Anatoly Vedernikov plays Handel Suite No 9 in G Minor

２０分以上抜粋

Bach　★★★

・ Anatoly Vedernikov - Bach Partita No. 6 in E minor BWV 830

・ Anatoly Vedernikov - Bach English Suite No. 1 in A major BWV 806　★★

・Ａnatoly Vedernikov plays Bach English Suite 2 BWV 807

・ Anatoly Vedernikov plays Bach English Suite 3

・ Anatoly Vedernikov plays Bach English Suite 6

・ Anatoly Vedernikov plays Bach Partita No. 2 in C minor BWV 826

Beethoven　★★★

・ Anatoly Vedernikov plays Beethoven Hammerklavier Piano Sonata no. 29, op. 106

・ Anatoly Vedernikov plays Beethoven Piano Sonata No 17 'Tempest

・ Beethoven - Piano sonata n°3 op.2 n°3 - Vedernikov

・ Anatoly Vedernikov plays Beethoven Sonata No. 30 Op. 109

その他　★★★

・ Debussy - Etudes - Vedernikov　★★

・ Anatoly Vedernikov (Piano). C. Debussy: Etudes Nos. 1-12

・ Anatoly Vedernikov plays Brahms Handel Variations

・ Anatoly Vedernikov plays Prokofiev Piano Concerto 4

・ Anatoly Vedernikov plays Hindemith Ludus Tonalis

・ Paul Hindemith "The Four Temperaments" - Anatoly Vedernikov

・ A Tribute to Anatoly Vedernikov - Scriabin Preludes Opus 11 (1975)

・ Anatoly Vedernikov plays Shostakovich Piano Sonata 2

・ Anatoly Vedernikov plays Ravel Le tombeau de Couperin

・ Haydn - Piano sonata n°59 Hob.XVI:49 - Vedernikov

・ Schumann - Fantasie op.17 - Vedernikov　★★

・ Schumann - Etudes symphoniques - Vedernikov

・ Anatoly Vedernikov plays Mozart Concerto No. 15 in B flat K 450

・ Anatoly Vedernikov plays Frid Hungarian Album

・ Vedernikov and Kurasova play Stravinsky Concerto for Two Pianos

・ Richter and Vedernikov play Bartók Sonata for Two Pianos and Percussion★★★

・ミックスリスト - アナトリー・ヴェデルニコフ　★★★

指揮者追加情報ソ連ものに強いイギリスのスクリベンダム・レーベルから、アナトリー・ヴェデルニコフの17枚組セットが登場。諸事情あってオモテ舞台にはあまり出なかったヴェデルニコフですが、その演奏の独特な魅力によって、マニアの間ではカルト的なピアニストとして有名な存在。その演奏は、揺るぎのない高度な技巧により、感情におもねることなく作品の姿を明確に示すのが特徴で、背景にはヴェデルニコフが非常に研究熱心で、たとえばバッハのパルティータを録音するために、カンタータ全曲を勉強するなど、その方法は時間と手間をかけた徹底的なものだったと言います。