京都撮り歩き(42)嵯峨野の大覚寺を巡る

 今日の京都撮り歩きは嵯峨野の門跡寺院である、大覚寺を御案内します。大沢の池の名月と嵯峨菊で有名ですが、嵯峨天皇の離宮だっただけに、静寂な中に、高雅な雰囲気をもち、明治維新まで、代々法親王が住持を継ぐ、格式高い、寺院です。
 御所と同じ、震殿、正寝殿、付け書院などの建物が配置されています。これらが回廊(村雨の廊下)で結ばれています。文化財としては、特に、襖絵(*)が素晴らしく、牡丹の間と紅梅の間の襖絵は金泥に極彩色で、描かれた作品に目を奪われます。大覚寺全体にどのくらいの、襖絵があるのでしょうか、天井絵も豪華です。また、建具の金具の意匠も見所のひとつです。芸大の学生が?、静かにスケッチしていたのが印象的な寺院です。
 秋の池に船を浮かべて、観月の夕べも行われています。機会があれば、乗ってみたいところです。各伽藍をめぐる回廊をめぐると、観月台に出ます。池と、遠くにある、塔も合わせてご覧ください。やはり、大沢池の散策は別途、すべきでしょう。
 ここから、時間が許せば、足を延ばして、祇王寺と化野念仏寺はいかがでしょうか。祇王寺は割引共通券大覚寺で入手できます。残りの2箇所を巡って、下車した、嵯峨嵐山駅に戻ります。途中、上手く時間が合えば、祇王寺また化野念仏寺から、バスを利用して京都市内に戻る、方法もあります。明日の祇王寺、化野念仏寺は帰る時間に御注意ください。
   
         *京都の襖絵については次の資料がお勧めです。
    a)原色日本の美術13巻 「障屏画」小学館編( 京都30寺院を詳説)
        b)京阪電鉄 おけいはん 第百二十回 京の襖絵(ふすまえ)
    c)「京都の文化財」絵画の基礎知識 淡交社編集局編 (イラストがベスト)
今日の寺社データ

ブログ公開日
                                 2020/4/25
登録番号
京都撮り歩き(42)
場所名
大覚寺
魅力メモ ウキペデア他
大覚寺は、京都市右京区嵯峨にある、真言宗大覚寺派大本山の寺院。山号を嵯峨山と称する。本尊は不動明王を中心とする五大明王、開基は嵯峨天皇である。嵯峨天皇の離宮を寺に改めた皇室ゆかりの寺院である。また、後宇多法皇がここで院政を行うなど、日本の政治史に深い関わりをもつ寺院である
アクセス・連絡先
京都市営バス・京都バス大覚寺下車すぐ。今回は清涼寺から徒歩15分 公式HP参照ください。
行き先分類
落西
エリア分類8-2
嵯峨野周辺散歩
足を伸ばして一緒にいかが
清涼寺、祇王寺、大覚寺、化野念仏寺 (滝口寺
追加エピソード
鎌倉時代の徳治3年(1308年)に後宇多法皇が大覚寺を再興した。法皇は伽藍の整備に力を尽くしたため、「中興の祖」と称されている。また、ここで院政を行ったため嵯峨御所(さがごしょ)とも呼ばれ、法皇の父である亀山法皇から続く系統は当寺にちなんで「大覚寺統」と呼ばれ、後深草天皇の系統の「持明院統」と交代で帝位についた(両統迭立)。この両系統が対立したことが、後の南北朝分裂につながったことはよく知られる皇室ゆかりの寺院であり、代々法親王が住職となった門跡寺院であるため、現在でも御所風の雰囲気がただよっている。御所跡地が国の史跡に指定されている
鑑賞ポイント
行事・特別公開
中秋の頃には観月の夕べが開催
お勧め建物
正寝殿(客殿)宸殿
特殊建物
お勧め文化財
狩野山楽筆の牡丹図・紅白梅図(重文)など
お勧め仏像
五大明王像
お勧め絵画
狩野山楽筆の襖絵や墨絵などの障壁画が多数所蔵する。狩野山楽筆の牡丹図・紅白梅図(重文)、他、渡辺始興の狭屋の間の野兎図など
お勧め庭
境内の東側に広がる大沢池(名勝地)は、平安時代、唐(現在の中国)の洞庭湖を模して造られた日本最古の林泉式庭園である。池畔には桜や楓が約700本、池内には約3000株もの蓮が自生して
パワースポット
花暦 花・時期
「観月の夕べ」はとくに有名であるほか、春の桜や秋の紅葉も見ごたえがある
京都観光NAVI
真言宗大覚寺派の本山。876年(貞観18年)、嵯峨天皇の離宮嵯峨院を寺院に改め、歴代の天皇や皇族が住持された門跡寺院であり、嵯峨御所として知られる。境内に書院造の正寝殿(重文)には、後宇多法皇が院政を執った部屋があり、狩野山楽筆の襖絵や墨絵などの障壁画が多数所蔵する。宸殿(重文)は徳川2代将軍秀忠と浅井長政の三女であるお江の間に生まれた東福門院和子が女御御殿の宸殿として使用していたもので、狩野山楽筆の牡丹図・紅白梅図(重文)などがある。また、嵯峨天皇をはじめ後光厳・後花園・後奈良・正親町・光格の各天皇の写経が勅封心経として奉安されており、般若心経写経の根本道場として、心経信仰が盛んに行われている。境内の東側に広がる大沢池(名勝地)は、平安時代、唐(現在の中国)の洞庭湖を模して造られた日本最古の林泉式庭園である。池畔には桜や楓が約700本、池内には約3000株もの蓮が自生しており、平安時代から変わらない風光明媚な風景を今に楽しむことができる。また日本三大名月観賞地であることから観月の名所として知られ、中秋の頃には観月の夕べが開催される。また華道のいけばな嵯峨御流の礎となった菊ヶ島があり、大覚寺はいけばな嵯峨御流の総司所としても知られている。 建立:876年
その他情報1
静かなひとときを堪能するなら、おすすめはやはり市街地北西部の嵯峨野。なかでも「大覚寺」は、日本に現存する最古の庭池「大沢池(おおさわのいけ)」を望む風光明媚な地にあり、嵯峨天皇が愛した離宮の面影を残す門跡寺院です。早朝の特別写経なども行われていて、ひと味違う京都を体験。池のほとりに立ち並ぶお堂。それらを結ぶ「村雨の廊下」は、大覚寺を訪れたことがない人でも時代劇やドラマなどできっと目にしたことがあるのではないでしょうか。
その他情報2

名古曽の滝跡(なこそのたきあと)離宮嵯峨院時代の滝殿庭園内に設けられたもので、『今昔物語』では百済川成が作庭したものと伝えられる。小倉百人一首の55番「滝の音は絶えて久しくなりぬれど 名こそ流れてなほ聞こえけれ」(大納言公任)の歌で知られる。平成6年からの奈良国立文化財研究所による発掘調査で、中世の遣水が発見され、現在の様相に復元された。

公的案内



菊のご紋の大覚寺の正面玄関です。一般の方は通用玄関から

膨大な襖絵に眼を奪われます。震殿内の「牡丹の間」
震殿には「牡丹の間」のほか、鶴、松、紅梅の間も有ります。
さらに、正寝殿にも4室に襖絵があります。別の部屋に素敵な天井絵もあります。
詳細はスライドをご覧ください。

「村雨の廊下」です。各建物はこの廊下でつながっています。
「大沢池」です、観月台が廊下の端にあります。左手に多宝塔があります。


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