京都撮り歩き(67)洛南の萬福寺を巡る

 今日の京都撮り歩きは洛南の萬福寺をご案内します。京阪宇治線とJR奈良線の二つの駅が使えますので、訪れるには電車の便が便利です。「山門を出れば日本ぞ茶摘うた」と読まれたように、中国の禅寺を彷彿とさせる、独特の建築様式と行法・作法を持つ寺院です。
 1660年に隠元が寺地を江戸幕府より、与えられ、以来、代々中国籍の寺住していたが22世(途中、14-21世は中・日交互の時代あり)から、現在は日本籍の僧侶となっていますが、今でも、異国色の雰囲気が残る寺院として有名です。独特のデザインの伽藍建築、門、仏像、開版などがあります。本尊布袋様は日本の観音様に該当します。その他、文化財・寺宝は別途、文華殿に収められていますので、忘れずにご覧ください。(春・秋の特別公開日)
 主の建物は明朝式の伽藍の配置は直線状にあり、他の施設も回廊でめぐる事ができます。見所が数多く有りますので、ゆっくり、順路とおり、時間を割いて、ご覧されることをお勧めします。
 中国風の精進料理の「普茶料理」も事前予約して愉しめることもできます。筆者は土産店で「お香」を購入し、2ケ月ほど、楽しみました。いくつか、写真でお示ししますが、詳細はスライドに編集しております。ゆっくりご覧ください。
 この寺院に関する、情報を下表に整理していきましたので、合わせて、事前に一読のうえ、萬福寺を訪れてはいかがでしょうか。今週はもう1箇所宇治上神社をご案内します。できれば、来週の宇治神社、平等院をご案内する予定ですが、5カ所(三室戸寺を含む、同日に巡る計画でいかがでしょうか。

今日の寺社のデータ


ブログ公開日
                                   2020/7/04
登録番号
京都撮り歩き(67)
場所名
萬福寺
魅力メモ ウキペデア
萬福寺は、京都府宇治市にある黄檗宗大本山の寺院。日本の近世以前の仏教各派の中では最も遅れて開宗した黄檗宗の中心寺院で、中国・明出身の僧隠元を開山に請じて建てられた。 建物や仏像の様式、儀式作法から精進料理に至るまで中国風で、日本の一般的な仏教寺院とは異なった景観を有する。
アクセス・連絡先
JR西日本奈良線・京阪宇治線 黄檗駅下車、徒歩5分京都京阪バス 黄檗公園バス停下車
行き先分類
宇治市と京都郊外
エリア分類12-1
万福寺から平等院へ行く
足を伸ばして一緒にいかが
万福寺、宇治神社、宇治上神社、(三室戸寺)平等院
追加エピソード
他の2つの禅宗と黄檗宗が大きく違う点として、中国的な特徴を色濃く残しているということが挙げられます。江戸初期から中頃にかけて、黄檗宗の総本山・黄檗山萬福寺(京都府宇治市)の住職は、殆どが中国から渡来した僧侶でした。朝夕のお勤めをはじめ儀式作法や法式・梵唄(太鼓や銅鑼など様々な鳴り物を使い読まれる、黄檗宗独特の節のあるお経)にはその伝統が受け継がれており、今日の中国・台湾・東南アジアにある中国寺院で執り行われている仏教儀礼と共通する部分が数多く見られます。
鑑賞ポイント
黄檗山の建造物は中国の明朝様式を取り入れた伽藍配置です。正面一間を吹放しとした主要伽藍を中心軸上に置き、同じ大きさの諸堂が左右対称に配されています。
行事・特別公開
毎月8日(2月と8月を除く)、布袋尊(弥勒菩薩)の縁日に「ほていまつり」を開催。拝観料が無料となる9:00~15:00まで
お勧め建物
16棟. 総門; 三門; 天王殿; 大雄宝殿; 法堂; 鐘楼; 鼓楼; 伽藍堂; 祖師堂; 斎堂; 禅堂; 東方丈; 西方丈; 祠堂; 大庫裏; 威徳殿; 附:廊8棟(法堂前面 - 天王殿左右)、鎮守社、廊棟札、伽藍絵図5点、詳細は下記
特殊建物
歇山重檐式(けっさんじゅうえんしき )蛇腹天井(じゃばらてんじょう)
お勧め文化財
紙本淡彩西湖図4幅、西湖図4幅、虎渓三笑図8幅、五百羅漢図8幅、瀑布図4幅、波涛図1幅 池大雅筆紙本著色隠元和尚像 元規筆 隠元自題あり絖本淡彩観音図 1帖(18図) 陳賢筆 崇禎九年の款記、隠元の題字及び賛がある黄檗山木額・柱聯(ちゅうれん)・榜牌(ぼうはい)(額40面、聯44対、榜牌13面)、同下書14幅
お勧め仏像
布袋、釈迦如来坐像(中尊)、十八羅漢像
お勧め絵画
伽藍絵図5点
お勧め庭
パワースポット
花暦 花・時期
京都観光NAVI
後水尾天皇や4代将軍・徳川家綱の尊崇を得て開山。ほぼすべての伽藍が中国様式であり、どこか日本の寺院とは違った空間を有している。門から天王殿、大雄寶殿、法堂と一直線に並び、匂欄は卍くずしのようにデザインされている。なかでも本堂となる大雄宝殿は日本で唯一、チーク材を使った歴史的建造物である。萬福寺は普茶料理(ふちゃりょうり)でも有名。この料理は修行僧が日常的に食す精進料理とは違い、法事などで出す、いわばおもてなしの料理。ヘルシーなのは勿論、煮物、焼物、揚物などたくさんの味が楽しめる(11:30~14:30/有料・要予約)。また、毎月8日(2月と8月を除く)、布袋尊(弥勒菩薩)の縁日に「ほていまつり」を開催。拝観料が無料となる9:00~15:00まで、手作り市を中心に、法要、法話、お茶席などが実施される。
その他情報1
黄檗山萬福寺は1661年に中国僧「隠元隆琦(いんげんりゅうき)禅師」によって開創されました。禅師は中国明朝時代の臨済宗を代表する僧で、中国福建省福州府福清県にある黄檗山萬福寺のご住職をされていました。その当時、日本からの度重なる招請に応じ、63歳の時に弟子20名を伴って1654年に来朝されました。宇治の地でお寺を開くにあたり、隠元和尚は寺名を中国の自坊と同じ「黄檗山萬福寺(おうばくざんまんぷくじ)」と名付けました。当初「臨済宗黄檗派」などと称していましたが幕府の政策等により、明治9年、一宗として独立し「黄檗宗」を公称するようになりました。日本でいう「禅宗」は、臨済宗、曹洞宗、黄檗宗の三宗に分類されています。
その他情報2
萬福寺の建造物は、中国明朝様式を取り入れた伽藍配置です。創建当初の姿のままを今日に伝える寺院は日本では他に例が無く、代表的禅宗伽藍建築群として、主要建物23棟、回廊、額などが国の重要文化財に指定されています。隠元豆(いんげんまめ)・西瓜(すいか)・蓮根(れんこん)・孟宗竹(たけのこ)・木魚なども禅師の請来によるものです。
公的案内
万福寺の建造物概要
萬福寺の伽藍は左右対称に配置されており、全体は西側を向いて乱れなく建てられています。一番西側にある「総門」をくぐり右手に「放生池」を見ながら進むと、巨大な三間三戸の「三門」、そしてその奥には萬福寺の玄関にあたる「天王殿」を臨むことができます。天王殿の奥には「大雄宝殿」、さらに奥には「法堂」が一直線になるように建てられています。
萬福寺の伽藍はそのすべてが屋根つきの回廊で結ばれており、雨天の際でも問題なく法式を執り行うことができるようになっています。回廊沿いにはそのほかにも、南側に鐘楼、伽藍堂、斎堂、東方丈が、北側には対称となる位置に鼓楼、祖師堂、禅堂、西方丈が、並んでいます。
これら萬福寺内の建物は一般的な日本の寺院建築とは異なって、宗祖隠元禅師が日本に渡ってこられた中国の明時代末期頃の様式で造られており、建築材も南アジア、東南アジア原産のチーク材を使用しています
各所に見られる「卍くずし」と呼ばれるデザインや、円い形をした窓、伽藍の扉に施された桃の実の形をした「桃符」という飾り、アーチ状に造られた「黄檗天井」など、ほかの日本の寺院では見かけることのないような建築手法、デザインが用いられています。また、三門から天王殿へと向かう参道を北側に折れたところには宗祖隠元禅師を祀る開山堂が建てられています。

曼福寺の主な建物配置です。山門、天王殿、大雄宝殿、法堂が
直線上に並んでいます。詳細はスライド集をご覧ください。

総門(漢門)です。この中は中国です。
屋根にあるのは架空の動物魔伽羅です。もう1箇所不思議な門があります。

こちらが山門です。重層の楼門で、左右に裳腰があります。
参道の敷石は素敵な形状です。修行僧は中央の菱形を踏むことはできない。

日本の本尊観音様と同じ布袋様が本尊です。
土足で入れるのも中国式です。大雄殿内の仏像群もごらんください。
法堂です。高欄の卍のデザイン、丸窓など独特な意匠です。
東西に方丈もあります。各建物をつなぐ回廊の天井のデザインに注目ください。

食堂まえの開版です。叩くことはできませんが、
URコードで音を聞くことができます。
          

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