京都撮り歩き(77)東山山麓の真如堂を巡る

 今日の京都撮り歩きは昨日の金戒光明寺北門から200mほどにある、天台宗のお寺「真如堂」を御案内します。真如堂は市内でありながら、訪れる人の少ない寺院です。幅のある階段で参道の景色が緩やかでゆったりした気持ちいい、静寂な寺院です。今回は最後になりましたが、最初にこの「真如堂」をめぐり、次に金戒光明寺、最後に平安神宮という、ルートもあります。
 紅葉の時期(もみじの真如堂といわれる)を除けば、市内で静けさが残る、穴場寺院のひとつです。創建は993年とあるが、応仁の乱で、堂宇が焼け、その後、坂本、市内を何度か移転して、現在の地に足利義正の寄進で再建されたのが1492年とのこと。その後も焼失し、1717年に本堂が完成とあります。
 こちらの伽藍は金戒光明寺と異なり、規模も小さいですが、緑の多い中に佇んでいるので、身のおき方がすこぶる、快適です。「真如堂」にも素敵な三重塔があります。もみじに映える時期には絵葉書の世界になります。
 ご本尊の「阿弥陀如来像」は平安時代から戦火を生き延び、「うなずきの弥陀」として、本堂で民衆に広く信仰されています。特に女性に人気の如来様です。本尊の左隣には、不動明王に祀られています。こちらは陰陽道の安倍清明の復活・蘇生の念持仏とも言われています。
 

今日の寺社データ

ブログ公開日
2020/8/09
登録番号
京都撮り歩き(77)
場所名
真如堂
魅力メモ ウキペデア
真正極楽寺は、京都市左京区にある天台宗の寺院。通称・真如堂と呼ばれる。山号は鈴聲山。本尊は阿弥陀如来,寛文元年(1661年)本堂が焼失する。元禄3年(1690年)に本堂が再建されるが、元禄5年(1692年)には再び本堂が焼失する。元禄6年(1693年)、東山天皇の勅によって現在地に移転し、再建される。享保2年(1717年)に本堂が完成する。
アクセス・連絡先
市バス 真如堂前/錦林車庫前下車 西側へ徒歩約8分
行き先分類
東山山麓の寺社、
エリア①-3
黒谷から真如堂・吉田山散歩
足を伸ばして一緒にいかが
金戒光明寺、真如堂、東北院、宗忠神社、吉田神社 元真如堂
追加エピソード
三井家の菩提寺で三井高利ら三井一族の墓石が並んでいる。お十夜(浄土宗の重要な仏教行事)は、ここが発祥である。近年は紅葉の名所として人気が高まっており、紅葉期は多くの人が訪れるが、普段は静かな寺院である。鐘楼堂にある梵鐘は太平洋戦争中の金属類回収令によって供出の憂き目にあい、小さいながらも4か所も穴をあけられてしまったが、幸い潰されずに残り、戦後に真如堂に戻されたものである。
鑑賞ポイント
行事・特別公開
毎年11月15日 お十夜(浄土宗の重要な仏教行事 
お勧め建物
江戸時代に再建された本堂(重文)や三重塔など、建造物
特殊建物
本堂(重文)や三重塔
お勧め文化財
「真如堂縁起」、「大涅槃図」「観経曼荼羅」などの寺宝
お勧め仏像
開創以来の御本尊・阿弥陀如来立像
お勧め絵画
「大涅槃図」「観経曼荼羅」
お勧め庭
東山三十六峰を借景とした枯山水
「涅槃の庭」とモダンな「随縁の庭」
パワースポット
花暦 花・時期
春の桜、本堂の裏の萬霊堂 紫陽花、紅葉時期
京都観光NAVI
正式には真正極楽寺。天台宗。戒算上人が984年(永観2)延暦寺の常行堂に安置された阿弥陀如来像を神楽岡に移し開創。応仁の乱のあと各所を転々、1693年(元禄6)現在地に落ち着いた。国宝の法華経六巻は仏師運慶の願経として知られる。三重塔が優美な姿。有料。建立:984(永観2)年
その他情報1
紅葉に彩られる真如堂の秋は、ふだんの静寂が嘘のような華やかさ。紅葉は、11月中頃、三重塔脇の“花の木”に始まり、次第に本堂の前から裏のほうへ移っていきます。例年12月初旬には、散った紅葉が真っ赤な絨毯のように敷き詰められる光景が本堂裏で見られます
その他情報2
「涅槃の庭」釈迦が亡くなるとき、北を頭に顔を西に向けて横たわり、まわりを弟子や釈迦の生母、生類たちが囲んで嘆き悲しんでいる様子を、石で表しています。白砂はガンジス川を、桧などは沙羅の林を表しています
随縁の庭2010年に重森千青氏によって作られた新しい庭です。背後にある仏堂(位牌殿)の蟇股に付けられた四つ目の家紋をモチーフにデザインされました。随縁とは真実は縁に因って様々な現れ方をするが、本質は変わらないことを意味するそうです。
公的案内資料

「真如堂」全景です。緑多い静かな寺院です。
左下が金戒光明寺北門となり、徒歩10分ほど
境内配置はスライドをご覧ください。

「真如堂」入り口です。ここから、本堂まで、素敵な参道が続きます。

参道脇に重厚な三重塔があります。
紅葉の頃はこの参道は紅葉の絨毯がひかれます。

本堂から書院へのアプローチの廊下です。書院の襖絵など、
詳細はスライドをご覧ください。この日は両庭とも見られました。

随縁の庭」モダーンな庭です。

涅槃の庭」です。HPの写真がいいので、こちらを借用しました。

 今日のお寺でこの京都撮り歩きシリーズの凡そ、半分ほどになりました。コロナが収まり、京都に多くの外国の方が戻ってこられることを念じております。 お盆になりましたので、このブログも1週間ほど休ませていただきます。    

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