名作をYoutubeで聴く(67) 現代小説(詩集)の高見順を聴く

 今日の名作をYoutubeで聴くは小説家・詩作家の「高見順」を選んでいくつか聴いてみることにします。この人の作品は初めて聴くことになります。手許には「私生児」というCD文庫があるだけで、これまで聴いたことがありません。娘さんの「高見恭子さん」の方はTVで拝見したことはありますが、父親の「高見順」については全く知らない作家さんでした。出生に不思議なハンデイをもった人ですが、東京の出てから、充分の教育を受けたそうで、小説家として、多くの作品(詩集)が残っており、改めて、知りました。

 人となりは「ウキペデア」に簡単に記されており、ピックアップすると「東大では壺井繁治(つぼいしげじ)らと左翼芸術同盟を結成、『左翼芸術』『大学左派』『十月』『集団』等のプロレタリア文学雑誌に小説、評論などを発表。1930年(昭和5)大学卒業後、研究社を経てコロムビア・レコード社に勤務。1933年組合活動のために検挙され、転向する。同じとき妻に裏切られ精神的苦悩は重なった。同年9月、渋川驍(ぎょう)、新田潤(にったじゅん)らと雑誌『日暦(にちれき)』を創刊し、心の苦しさを吐き出すように、短編『感傷』(1933)や、長編『故旧忘れ得べき』(1935)などを書きつづった。とくに後者は第1回芥川(あくたがわ)賞候補作になり、一躍文壇の注目を浴びることとなった。」とあります。戦争に翻弄された作家に一人でしょうか。

又「戦後は、『わが胸の底のここには』『あるリベラリスト」などの作品で私小説風に傷つきやすい精神を掘り下げた作品を次々と発表する。また晩年は、昭和という時代を描く『激流』『いやな感じ』『大いなる手の影』の連作を発表する。長編などでは他に『都に夜のある如く』『生命の樹』『今ひとたびの』などがある。」ともあります。

 さらに「詩人としても活動し、『樹木派』『わが埋葬』、最晩年に『死の淵より』(度々再刊)などを発表する。永井荷風と並ぶ日記作家としても知られ、昭和史の資料ともなった『高見順日記』を著す(『敗戦日記』が度々再刊)。回想記に『昭和文学盛衰史』がある。

 Youtubeで朗読作品を検索しますと、結果は下のリスト通り隣ました。短編の詩集が数多く、投稿されております。手許の「私生児」はさすがに、ありませんでしたが、NHKのラジオ番組の放送が聴き易くお勧めです。今日は短い朗読作品から、「敗戦日記 昭和二十年三月十二日より 」、「死の淵より / 高見順【神尾晋一郎 / 間宮丈裕】」、「日記/高見 順 【 高見順 日記 】」と「わが胸の底のここには」の4点を聴いてみることにします。リストはいずれも短いので、全部聴くことも可能です。さらに、青空文庫でもいくつか小説が公開されており、手軽に愉しめるようです。

高見順の朗読をYoutubeで聴く

公開日                       2022・2・12

作家名                           高見順

読み                              タ行

音源                            Youtube

出生地:                         福井県 三国町

死亡:                         1965年8月

分類                           現代小説・詩

受賞歴ほか

毎日出版文化賞(1959年)

新潮社文学賞(1963年)

野間文芸賞(1964年)

文化功労者(1965年,没後追贈)

代表作

『故旧忘れ得べき』(1936年)

『如何なる星の下に』(1940年)

『樹木派』(1950年、詩集);

『昭和文学盛衰史』(1958年、評論)

『いやな感じ』(1963年)

『死の淵より』(1964年、詩集)

デビュー作 『故旧忘れ得べき』(1935年)

年譜と作品抜粋 1955年以降に限定して抜粋(以前にも膨大な作品があります。)

『駄目な夜』東方社(東方新書) 1955年

『二番線発車』東方社 1956年

『天使の時間』雲井書店 1956年

『湿原植物群落』三笠書房 1956年

『悪女礼讃』酒井書店 1956年

『ひと日わが心の郊外に』三笠書房 1957年

『愛と美と死 エッセイ集』宝文館 1957年

『対談現代文壇史』中央公論社 1957年

『人生の周辺』平凡社 1957年

『愛情列島』角川書店 1957年

『虹の橋』大日本雄弁会講談社 1958年

『エロスの招宴』新潮社 1958年

『昭和文学盛衰史』 文藝春秋新社(全2巻) 1958年 のち講談社、

      福武書店、角川文庫、文春文庫(全1巻)

『愛のために・青春のために』凡書房 1958年

『生命の樹』講談社 1958年 のち文春文庫(自身の浮気を描いた私小説)

『敗戦日記』文藝春秋新社 1959年 のち文庫、中公文庫

『三面鏡』中央公論社 1959年

『都会の雌雄』講談社 1959年

『完本・高見順日記 昭和二十一年篇』凡書房新社 1959年、「終戦日記」文春文庫

『遠い窓』中央公論社 1960年

『異性読本』角川書店 1960年

『文学的現代紀行』講談社 1961年

『ちょっと一服』朝日新聞社 1961年

『愛が扉をたたく時』講談社(ロマン・ブックス) 1962年

『いやな感じ』文藝春秋新社 1963年 のち角川文庫

『激流 第1部』岩波書店 1963年

『高見順日記』全8巻 勁草書房 1964年-1965年、のち新版+続編(全9巻)

『高見順文学全集』全6巻 講談社 1964年-1965年

『詩集 死の淵より』講談社 1964年 のち文庫、文芸文庫

『わが埋葬』思潮社 1965年

『高見順全集』全20巻 勁草書房 1970年-1974年

『三十五歳の詩人』中公文庫、1977年

『高見順詩集』思潮社・現代詩文庫 1977年

ウキペデア他より抜粋  高見 順は、日本の小説家、詩人。出生に関わる暗い過去や、左翼からの転向体験を描き、第1回芥川賞候補となった『故旧忘れ得べき』で一躍注目を浴びた。その後も『如何なる星の下に』『いやな感じ』などで高い評価を受けた。詩人としても著名。日本近代文学館設立にも尽力し、初代理事長に就任。文化功労者。 晩年に、近代文学の資料の散逸を防ぐため、日本近代文学館の建設に尽力したが、落成間近の1965年8月17日、食道がんのため放射線医学総合研究所病院で死去した。連作小説を構想中でもあった。58歳没。

手許CD(1) 私生児

Youtube検索朗読作品

・高見順 ★★★

・朗読と合唱と弦楽トリオのための 「死の淵より」 part 1 高見 順  詩   清水 脩  作曲

・高見順 敗戦日記 昭和二十年三月十二日より ★★

     ・KATARI MV】死の淵より / 高見順【神尾晋一郎 / 間宮丈裕】★★

・「詩集,死の淵より,」,作, 高見順,※朗読イオギ・井荻新※初回スタート 

・死にたい時の日本文学/裸木(高見順)

・高見順の詩

・荒川洋治・新しい読書の世界 第 12 回 日記/高見 順 【 高見順 日記 】

      /武田 百合子 【 富士 日記 】 NHK 文学の世界 ★★

・「青春の健在」高見順【寝落ち】

・朗読 【われは草なり】

・朗読 虹 / 高見順

・高見順 わが胸の底のここには ★★

・高見順 荒磯

・高見順 青春の健在

・汽車は二度と来ない  死の淵より 作 高見順


「私生児」です。この1点だけ保有していました。語りは娘さんです。

「敗戦日記 昭和二十年三月十二日」です。
さすが、NHKのアナウンサーの声は聴き易い
3月13日分もあります。

「死の淵より / 高見順【神尾晋一郎 / 間宮丈裕】」です。
短いですがいい語りです。

「日記/高見 順 【 高見順 日記 】」です。著作権上OKでしょうか

「高見順 わが胸の底のここには」です。こちらもお勧めです。


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