続自由時間のクラシック〔638〕現代の名ＶｎニストIvry Gitlisのを聴く

- 5月 20, 2022

　今日の続自由時間のクラシックはイスラエル出身のスーパーヴァイオリニストの「Ivry Gitlis」のアルバムからいくつか選んで聴いてみることにします。昔の映画に催眠術師役で登場したそうで、風貌もいかがわしい、感じの人に見られるが、華麗なテクニックと極めて個性的な音楽性で、聴衆を圧倒したと有ります。かれの弾く、パガニーニのＶｎ協奏曲は必聴の名演奏といわれています。一昨年、９８歳で逝去されています。(合掌）

　ある指南書の解説に「パガニーニは彼の演奏会の当日、窓口で観客から本人が直にお金を集め、勘定を済ませて、扉を閉め、演奏台にのぼったといわれる守銭奴だったそうです。さらにオーケストラに配布した楽譜は必ず回収したそうです。」催眠術師の弾く、守銭奴の曲の組み合わせはいかがでしょうか、

　レコ芸５００（２０１７）では、１点（パガニーニのＶｎ協奏曲１番(廃盤））のみだけ推されていました。日本のプロの音楽評論家は厳しい評価でした、他の指南書は数点、推されています。手許は４枚ほどで、やはり、Ｙｏｕｔｕｂｅで追加検索する必要があろうかと思います。検索結果は下の通りです。今日は意識して、Ｖｎの小品集の中にある、短い曲を出来るだけ多く集めています。レパートリーは驚くほど広く、まだまだ、ありそうです。是非、追加検索ください。

　「人となり」を簡単にピックアップしますと「1922年、ロシア系ユダヤ人の両親のもとに、ハイファにて生まれる。パリ音楽院に留学した後、カール・フレッシュ、ジョルジュ・エネスコとジャック・ティボーに師事。1968年にジョン・レノンの「ザ・ダーティー・マック」プロジェクトに参加、1971年にはブルーノ・マデルナより≪イヴリーのための小品 Piece for Ivry≫を献呈される。1988年よりユネスコ親善大使に着任し、「平和教育と文化と寛容の支持者」となる旨を述べた。「演奏は、大胆な解釈と思い切った表情づけで知られており、特に小品の演奏は、アクの強さで評価が二分している。」とあります。このあたりが評論家が嫌う原因でしょうか。

「ギトリスは親日家としても知られるが、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による東日本大震災にはたいへん心を痛めていた。ギトリスは日本人に向けて次のようにメッセージを届けた。「愛し、敬う誰かが悲劇に遭遇している時、何を語ればよいのだろう？愛していると伝える？その通り・・。それこそ、私が第2の故郷と考える日本と、日本の皆さんに伝えたいことです。皆さんのことをいつも想っています。私に何かできることがあるなら教えてください。私は最善を尽くしたいと思います。」ともありました。やはり、日本に多くのファンがおられる演奏者の一人でしょう。

　今日は手許のアルバムから「サラサーテ名曲集」を聴きながら、ブログを纏めましたので、検索結果から幅広く曲を選び「Kreisler: Schön Rosmarin」、「Paganini - Violin Concerto No. 2」、「Franck Violin Sonata」、「 Txaikovski Trio」と「Sonata for Solo Violin, Sz. 117」の５点を聴いてみることにします。短い曲にも名演奏が数多くあります。時間の許すかぎり、お試しください。

今日のお勧め曲

公開日　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2022/5/20

演奏家名　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ivry Gitlis

読み　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　イヴリー・ギトリス

音源　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ｙｏｕｔｕｂｅ

出生地：　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　イスラエル・ハイファ

生年　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　1922年8月

死亡：　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2020年12月

分類　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　弦楽器奏者

知名度　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　名Ｖｎニスト

レコ芸５００＆２００ＣＤ　ヴァイオリン、ヴァイオリンチェロの名曲・名演奏の推薦曲

・サラサーテ　ツイゴイネルワイゼン、スペイン舞曲集

・パガニーニ　Ｖｎ協奏曲１，２番

・バルトーク　無伴奏Ｖｎソナタ

・ファリア　スペイン民謡組曲

・Ｖｎ小品集　Ｖｎの名曲アラカルトほか

レコ芸５００　２０１７では１点推薦　（パガニーニ　Ｖｎ協奏曲１番のみ）

人となりウキペデア他より 1922年イスラエルのハイファ生まれ。演奏を聴いたフーベルマンに見出されてフランスに渡り、12歳でパリ音楽院を首席で卒業。その後もジョルジュ・エネスコ、ジャック・ティボー、カール・フレッシュ等、名ヴァイオリニストの下で研鑽を積みました。1951年ロン=ティボー国際音楽コンクールに入賞、56年のアメリカデビュー後、超絶技巧の天才ヴァイオリニストとして世界的な賞賛を博し、活躍の舞台を全世界に広げてきた

推薦図書

・レコ芸５００　２０１７　音楽之友社　（最新版・名曲名盤）◎

・２００ＣＤ　ヴァイオリン　立風書房◎

・ヴァイオリン・チェロの名曲・名演奏　渡辺◎

・クラシック不滅の名盤２００７　音楽之友社

・名盤鑑定百科　各編　吉井著

・私だけのクラシック、宮城谷

手許ＣＤ（４）詳細は下記参照ください。

Youtube検索結果より　

視聴回数の多い、短い曲抜粋　★★★

・ Bach - Chaconne - Gitlis

・ J.S. Bach: Aria On G

・ Gitlis plays Rondo capriccioso

・ Ivry Gitlis - Sicilienne - Von Paradis | Podium Witteman

・ Ivry Gitlis Live Rondo Capriccioso Saint-Saëns

・ Ivry Gitlis meets Stephane Grappelli ( Piano ) 1968!!!

・ Ivry Gitlis Moszkowski(Guitarre) and Albeniz(Malaguena)

・ Ivry Gitlis plays Paganini Caprice 24

・ Ivry Gitlis plays Wieniawski Cappricio Valse

・ Kreisler: Liebesleid

・ Kreisler: Schön Rosmarin - Ivry Gitlis　★★

・ La campanella Ivry Gitlis Orchesta Paganini concerto nº2

・ Paganini: Cantabile - Ivry Gitlis

・ Sarasate: Airs bohémiens

２０分以上のアルバム抜粋

・ Bartok, Ivry Gitlis ‎– Violin Concerto Sonata For Unaccompanied Violin Dover HCR 5211

・ Berg: Violin Concerto, Gitlis & Rieger (1967) ベルクヴァイオリン協奏曲ギトリス＆リーガー

・ Gitlis plays Paganini - Violin Concerto No. 1 in D, Op. 6 (1817)　

・ Gitlis plays Paganini - Violin Concerto No. 2 in B minor, Op. 7　

　　　　　 "La campanella" (1826)　★★

・ Gitlis- Tchaikovsky Violin Concerto (complete)

・ Hindemith "Violin Concerto" Ivry Gitlis/Hans Rosbaud

・ Ivry Gitlis - Concert Carte blanche pour Ivry Gitlis -

　　　　　　Festival de Pâques d'Aix-en-Provence 2016

・ Ivry Gitlis & Dora Schwarzberg play Bartok Duos for 2 Violins

・ Ivry Gitlis & Martha Argerich - Franck Violin Sonata in A Major　★★

・ Ivry Gitlis and friends - Concert hommage à Ivry Gitlis - Philharmonie

　　　　　 de Paris 07 janvier 2019

・ Ivry Gitlis Greatest Hits Playlist 2021 - Ivry Gitlis Best Violin Songs

　　　　　Collection Of All Time　★★★

・ Ivry Gitlis interview and Sibelius concerto

・ Ivry Gitlis plays Mendelssohn Violin Concerto(1954)

・ Ivry Gitlis, George Duke, Al Jarreau, Stanley Clarke, Kavita Krishnamurti

　　　　　| LGMF 2021 | Episode 8

・ Ivry Gitlis, live Brahms concerto op 77( Re-Up) Roumanian Radio TV Orchestra

　　　　　/ Iosif Conta, 1980

・ Txaikovski Trio - Ivry Gitlis, violin - Heinrich Schiff, cello -

　　　　　 Polina Leschenko, piano　★★

・ Ivry Gitlis. S. Wislocki. N. Paganini: Concerto Nos. 1, 2

・ Sibelius violin concerto Gitlis Horenstein　

・ Sibelius: Violin Concerto, Ivry Gitlis/Jascha Horenstein/Pro Musica Orchestra,

　　　　　 Vienna, 1955 restored

・ Sonata For Solo Violin

・ Sonata for Solo Violin, Sz. 117　★★

・ミックスリスト - イヴリー・ギトリス　★★★

・ CONCERT FOR IVRY Gitlis -　★★★

指揮者追加情報ギトリスの演奏は19世紀的と評されることが多いが、具体的には、テンポとリズムの大胆な解釈、独特なボウイングから生まれる個性的な音色、意図的に微妙な音程の変化を与え聴感に訴えかける奏法が挙げられる。ギトリスの演奏には賛否両論あるが、現代のヴァイオリニストの中でも最も特色の強い演奏をする奏者の一人と認識されている。