続自由時間のクラシック〔641〕現代の名VaニストのWilliam Primroseを聴く

 今日の続自由時間のクラシックは珍しい、イギリスの男性ヴィオリスト(Va奏者)の「William Primrose」のアルバムをいくつか選んで聴いてみることにします。ヴィオリストが呼びずらいので、Va奏者として、進めます。VaはVn属に入る楽器で、Vnより低く、Vcより高い音質をもち、オーケストラや、管弦楽、室内楽にも多く演奏されていますが、個人の独奏者となると、Vn,Vcの演奏者に比べ、ぐーと少なくなります。

 このブログでもVa奏者は2人(今井信子、パシュメット)を紹介しただけと記憶しています。今日の「William Primrose」は解説によると、ヴィオラの独奏楽器としての地位を確立した演奏家であり、力強いボウイングによって、ヴァイオリンとは明らかに違うヴィオラの魅力を示し、その後のヴィオラ独奏者のパイオニアとなった人です。指南書のレコ芸500でも3点推薦されていますが、手許には1枚も保有していない様でした。筆者自身、Vaについて、殆ど知識がないので、今日は名曲を聴くことに加えて。楽器の構造についても調べてみることにします。

 他の指南書*を読むと、Vaの名曲が、ソナタ曲、協奏曲に分けて、数多く紹介されています。下のリストに名曲を整理した結果を記しておきます。②項にウキペデアから、抜粋した、名曲一覧と、主な独奏者リストを追記しておきます。

今日は手探りでYoutubeの「William Primrose」のアルバムを検索した結果を記します。指南書の推すアルバム全ては揃いませんでしたが、かなり、みつかりましたが、音源の古さに驚きました。やはり、この楽器の確立した、パイオニアといわれる所以がある演奏家でした。

「人となり」をいくつかピックアップしますと、「父ジョーン・プリムローズはオーケストラのヴァイオリン奏者ならびにヴィオラ奏者であり、弦楽器の鑑定家でもあった。プリムローズはもともとはヴァイオリニストとして活動を始めるが、ブリュッセルで師事したイザイのすすめでヴィオラに転向する。」

「ロンドン弦楽四重奏団のヴィオラ奏者を担当したあと、1937年に、NBC交響楽団の結成にあたり、トスカニーニに招かれてアメリカに渡り、首席ヴィオラ奏者に就任する。その後、ソリストとして活動する一方、プリムローズ弦楽四重奏団(シェムスキー、ギンゴールド、シャピロ)を結成し演奏活動を行った。」

「晩年は教育活動にも熱心で、インディアナ大学と南カリフォルニア大学にて教授職を務めるほか、来日した際には東京芸術大学や桐朋学園大学でも後進の指導にあたった。」とありました。又、「トスカニーニの指揮するNBC交響楽団に首席奏者として迎えられ渡米、ソロに室内楽に活発な演奏活動を展開する。」

「彼はヴィオラというアンサンブルの内声を支える地味な楽器を、独奏楽器として初めて認識させた真のヴィルトゥオーゾであり、彼のために作曲され、初演されたヴィオラ作品は枚挙に暇がない。また、晩年まで教育活動にも熱心で、何度か来日し、日弦協のコンクールの審査員も務めた」ともありました。

 今日は手許に1枚もありませんので、検索したリストから指南書の推す名曲を選んで「Harold in Italy, Op. 16」、「Bartók: Viola Concerto」、「Bloch Suite for Viola and Piano」、「Mozart Sinfonia Concertante」と「ブラームス:ヴィオラ・ソナタ 第1番」の5曲を聴いてみることにします。いずれも、希少価値が出そうに、音源が古い様ですが、ご容赦ください。

①今日のお勧め曲

公開日                           2022/5/25

演奏家名                                                         William Primrose

読み                                                                              ウィリアム・プリムローズ

音源                                                                                     Youtube

出生地:                                                                    スコットランド、グラスゴー

生年                                                                                        1904年8月

死亡:                                                                                1982年5月

分類                                                                                        弦楽器奏者

知名度 名Vaニスト

レコ芸500&200CD ヴァイオリン&ヴィオリン・チェロの名曲名演奏の推薦曲

バックス Vaソナタ

バルト-ク Va協奏曲

ブロッホ Va組曲

ベルリオーズ 交響曲 イタリアのハロルド ★

ブラームス ヴィオラソナタ ★

モーツアルト 協奏交響曲★

レコ芸500 2017では3点推薦 

人となりウキペデア他より ウィリアム・プリムローズは、ヴィオラの独奏楽器としての地位を確立した演奏家である。力強いボウイングによって、ヴァイオリンとは明らかに違うヴィオラの魅力を示し、その後のヴィオラ独奏者のパイオニアとなった。

推薦図書

レコ芸500 2017 音楽之友社 (最新版・名曲名盤)◎

200CD ヴァイオリン 立風書房*◎

ヴァイオリン・チェロの名曲・名演奏 渡辺*◎

クラシック不滅の名盤2007 音楽之友社

名盤鑑定百科 各編 吉井著

私だけのクラシック、宮城谷

手許CD(0) 無し

Youtube検索結果より 

視聴回数の多い、短い曲抜粋

Beethoven: Serenade Op.8 D-dur - Heifetz Piatigorsky Primrose (8.1960)

Dohnanyi Serenade Trio in C Major, Op.10 (Heifetz, Primrose, Feuermann) - 1941

Harold in Italy, Op. 16: III. Serenade ★★

Heifetz, Primrose, Piatigorsky... play Mendelssohn Octet

Jascha Heifetz - Handel-Halvorsen Passacaglia

Marian Anderson & William Primrose - Brahms: 2 Songs for Contralto, Viola & Piano

William Primrose plays Beethoven's Polonaise

William Primrose plays Hindemith's Viola Sonata in F, Op.11 No.4

William Primrose plays Schubert Ave Maria

 20分以上のアルバムより抜粋

William Primrose plays the 1st Movement of Bartok's Viola Concerto

William Primrose plays Vaughan Williams' Flos Campi

Wm. Primrose - Divertimento (Haydn)

2 Gesange, Op. 91: No. 1. Gestillte Sehnsucht (Longing at Rest)

Bartók: Viola Concerto, Primrose & Serly (1950's) バルトーク ヴィオラ協奏曲 

      プリムローズ ★★

Bloch Suite for Viola and Piano (Primrose, 1938) ★★

Brahms - Sextet No. 2 in G major, Op. 36 

     (Heifetz, Baker, Primrose, Majewski, Piatigorsky, Rejto)

Jascha Heifetz and William Primrose play Arthur Benjamin's Romantic Fantasy

Mozart / Stern / Primrose / Casals, 1951: Sinfonia Concertante in E flat 

     major, K. 364 - Complete ★★

Primrose Paganini for viola 24 . caprice

Primrose Quartet - Brahms: String Quartet in B Flat Major, Op. 67 [Complete]

Smetana Quartet No. 1, played by the Primrose Quartet (1940)

Walton Primrose viola / William Walton Vla Con. Royal Phil. Dir Sargent (1979)

William Primrose “A Violist’s Legacy”

William Primrose plays Brahms' Viola Sonata #1

William Primrose: The Early violin & viola recordings (R.1923-’35) 

     with Menges, Moore & others

ウィリアム・プリムローズ、マスターパフォーマーシリーズのヴィオリスト

ブラームス:ヴィオラ・ソナタ 第1番 ヘ短調 Op.120-1 プリムローズ, カペル 1946 ★★

William Primrose plays 1st movement of Walton's Viola Concerto

Mozart Divertimento in E-flat major, K.563(Heifetz,Primrose,Feuermann 1941)

Milestones of a Viola Legend: William Primrose, Vol. 9

Max Reger: Viola Suite, com Orquestra - Yuri Bashmet e os Solistas de Moscou

指揮者追加情報 演奏技術は高く、パガニーニの24のカプリースをヴイオラで演奏し、ミッシャ・エルマンから驚嘆をもって称賛された。教育活動に大変熱心に取り組み、フィラデルフィアのカーティス音楽院、1961年から1965年の間、南カリフォルニア大学でヤッシャ・ハイフェッツとともに教鞭をとった。ヴィオラの演奏テクニックについての本も多数出版している。プリムローズの注釈付きのヴィオラのスコアの大量のコレクションは、ウィリアム・プリムローズ国際ヴィオラアーカイブに保存されている。録音では、バッハ、ショパン、ドヴォルザーク、チャイコフスキー、ラフマニノフ、クライスラー、マスネの作品などがリリースされている。


「Harold in Italy, Op. 16: III. Serenade」です。
少し古いですがみつかりました。

「Bartók: Viola Concerto」です。
名曲です。こちらもいかがでしょうか

Bloch Suite for Viola and Piano」です。古いLP版でした。


   「Mozart / Stern / Primrose / Casals, 1951: Sinfonia Concertante」です。
珍しいLP版でした。リメーク版もあるはずですが?


「ブラームス:ヴィオラ・ソナタ 第1番 」です。
こちらも名曲です。いかがでしょうか


②ヴィオラの名曲・独奏家( ウキペデアより抜粋)
 ヴィオラの大きさは、「ヴァイオリンより音域が五度下がることから、科学的には、本来、胴長がヴァイオリン(360 mm程度)の1.5倍の540 mm程度で音が最も共鳴するのだが、それだと物理的に人間が演奏不可能となるので、410 - 430 mmで落ち着くことが多い。したがって、制作者はそれぞれ趣向を凝らし、厚みを加えたり、胴体を長くしたりして、制作者なりに最も映える音を模索し制作に至る。」とありました。
a主なヴィオラ曲 (Youtubeで追加検索ください)

1 JSバッハ - ブランデンブルク協奏曲6番変ロ長調BWV1051
2 テレマン - ヴィオラ協奏曲ト長調
3 ベルリオーズ - 交響曲「イタリアのハロルド」Op16 (ヴィオラとオーケストラ)
4 シューマン - 「おとぎの絵本」Op.113(独奏ヴィオラとピアノ)
5 ブラームス - ヴィオラソナタ第1番ヘ短調Op.120-1、第2番変ホ長調Op.120-2
6 メンデルスゾーン - ヴィオラソナタハ短調
7 ヴュータン - ヴィオラソナタ変ロ長調Op.36
8 ヴュータン - 「エレジー」Op.30
9 ウォルトン - ヴィオラ協奏曲
10 グリンカ - ヴィオラソナタニ短調
11 ヒンデミット - 無伴奏ヴィオラソナタ Op.11-5、Op.25-1、Op.31-4、1937年作曲の作品
12 ヒンデミット - ヴィオラソナタ Op.11-4、Op.25-4、1939年作曲の作品
13 ヒンデミット - ヴィオラ協奏曲「白鳥を焼く男」
14 ヒンデミット - 「葬送音楽」(ヴィオラと弦楽合奏)
15 ヒンデミット - 室内音楽第5番 Op36-4
16 レーガー - 3つの無伴奏ヴィオラ組曲 Op.131d
17 バルトーク - ヴィオラ協奏曲(遺作)Sz.120
18 ブリテン - 「ラクリメ―ダウランドの歌曲の投影」Op.48(ヴィオラと弦楽合奏)
19 ショスタコーヴィチ - ヴィオラソナタOp.147
20 武満徹 - 「ア・ストリング・アラウンド・オータム」(ヴィオラ協奏曲)
21 クシシュトフ・ペンデレツキ - ヴィオラ協奏曲
22 アルフレート・シュニトケ - ヴィオラ協奏曲

b,ヴィオラが活躍する楽曲
1 モーツァルト - 協奏交響曲変ホ長調K.364(ヴァイオリンとヴィオラと管弦楽)
2 モーツァルト - ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲 ト長調K.423、変ロ長調K.424
3 モーツァルト - クラリネット、ヴィオラとピアノのための三重奏曲変ホ長調K.498「ケーゲルシュタット・トリオ」
4 シューマン - 「おとぎ話」Op.132(ヴィオラ、クラリネット、ピアノ)
5 マックス・ブルッフ-クラリネット、ヴィオラと管弦楽のための協奏曲 ホ短調
6 ドビュッシー - フルート、ヴィオラとハープのためのソナタ
7 ベンジャミン・ブリテン - ラクリメ―ダウランドの歌曲の投影 Op.48
     (ヴィオラとピアノ、作曲者自身による管弦楽伴奏編曲が存在)
8 武満徹 - 「そして、それが風であることを知った」(フルート、ヴィオラ、ハープ)
9 リヒャルト・シュトラウス - 交響詩『ドン・キホーテ』Op.35(一部独奏ヴィオラを伴う)
10 アドルフ・アダン - バレエ音楽「ジゼル」(一部独奏ヴィオラを伴う)
11 カール・マリア・フォン・ウェーバー 歌劇『魔弾の射手』(一部独奏ヴィオラを伴う)
c,主なヴィオラ奏者 (今後この中から数人選んでみます

1 ライオネル・ターティス (1876-1975)
2 パウル・ヒンデミット (1895-1963)
3 ウィリアム・プリムローズ (1904-1982)
4 ワルター・トランプラー (1915-1997)
5 ウルリヒ・コッホ (1921-1996)
6 トーマス・カクシュカ (1940-2005)
7 ピンカス・ズーカーマン (1948-)
8 キム・カシュカシャン (1952-)
9 ユーリ・バシュメット (1953-) (巨匠シリーズで紹介)
10 パールトシュ・エデン(エデン・パルトシュ)
11 ヴォルフラム・クリスト (1955-)
12 タベア・ツィンマーマン (1966-)
13 ヴェロニカ・ハーゲン
1 吉瀬弥恵子
2 鈴木章 (1899-1961)
3 兎束俊之 (1939-)
4 今井信子 (1943-) (日本人演奏家で紹介)
5 店村眞積 (1948-)
6 後藤悠仁(日本フィル)(1961-)
7 長谷川弥生 (1966-)
8 川本嘉子 (1966-)
9 清水直子 (1968-)
10 安藤裕子 (1972-)
11 井上祐子
12 波木井賢
13 奥幸代
14 生沼晴嗣
15 棚橋恭子

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