奈良撮り歩き(18)斑鳩の法起寺を巡る

 今日の奈良撮り歩きは斑鳩の法起寺をご案内します。昨日の法輪寺から、東へ600mほどの所にあり、田圃の真ん中に有る場所で、斑鳩の岡本の地にあり、岡本寺、池尻寺ともいわれています。小さいお寺ですが、是非、ここまで足を延ばされることをお勧めします。

 聖徳太子の遺命により、山背大兄王が建立しましたが、当初は、法隆寺の伽藍配置と異なっていたようです。当時の建物で現存するのは三重塔だけで、その他の建物は室町時代(1694年)以降に再建されました、現在の伽藍配置は、建立当時の法起式と異なり、法隆寺式となっています。

 一番の見所は最も古い高さ24mの三重塔(国宝・世界遺産)でしょうか、法隆寺の五重塔の建築様式をまねて、初層、三層、五層を模して三重に作られています。三重塔として、安定感が高い巨大な塔で有名です。雲斗、雲形肘木、高覧の卍崩しの意匠(*1)まで、そっくりとなっています。塔の全景撮影ポイントは境内より南大門側から撮るのがお勧めとあります。境内への入り口は西門となります。

 もう一つは収蔵庫のガラス越しでご覧になれる、ご本尊の「木造11面観音立像」です。当時としては珍しい杉の立ち木仏(高さ350cm)で、非常に丁寧に作られた仏像です。上半身には良くみると、金箔が施されています。この仏像は国の重文に指定されています。

 問題は法起寺からの帰り道ですが、車で法隆寺駅まで戻るか、バスの便の多い、法隆寺バス停まで、徒歩で戻ることになります。この田園の中の法起寺から、帰宅するルートは事前に良くお調べください。

 多くの案内書は法隆寺、中宮寺、法輪寺、法起寺を4時間ー5時間ほどで、案内しています。法隆寺だけは別途にされて、3寺をまず、1日コースでいかがでしょうか、筆者は省きましたが、禅寺の慈光院(枯山水と抹茶)もすぐ近くにあり、旅程に組まれてはいかがでしょうか。3寺1日がゆったりご覧になれます。

 法隆寺については、建造物、仏像と2回ぐらいかけて、ご覧なる様ご計画ください。数多い見所のある、世界遺産をゆっくり、ご覧になられることをお勧めします。来週は2日にかけて、法隆寺の見所をご案内します。

   *1「日本のかたち 塔」桑子著山と渓谷社編

「法起寺全景」です。周囲の田園の中にぽつんと建っています。

「法起寺へのルート」です。昨日の法輪寺から徒歩10分ほどです。



「法起寺から法隆寺へ」の徒歩ルートです。タクシーで法隆寺駅へは早いですが・・・

今日の寺社データ



「法起寺入り口」です。境内への通用門西門です。
大きな道路から少し、小道に入りると入り口が有ります。

「三重塔」です。国宝指定で日本最古の重厚な三重塔です。
境内詳細はスライドをご覧ください。

「コスモスと三重塔」この田園風景が好まれています。夕日も映えるようです。



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