奈良撮り歩き(16)斑鳩の中宮寺を巡る

 今日の奈良撮り歩きは斑鳩の中宮寺ををご案内いたします。法隆寺夢殿のすぐ近くに中宮寺があります。法隆寺をご覧になり、ここ、中宮寺をみてから、法起寺、法輪寺と足を延ばすコースがよいのですが、徒歩では健脚向きのコースで、法隆寺をゆっくりご覧になる場合は、法隆寺近辺で1泊をされるのも良いかとおもいます。筆者は関西在住ですから、法隆寺だけ、2回にわけ、いった記憶があります。

 多くの観光客で混雑する時間帯を避けるには、早朝、法隆寺を済ませ、残りの寺院を巡ることをお勧めします。斑鳩周辺には、藤ノ木古墳、龍田神社、吉田寺も有りますが、時間配分を上手くする必要があり、全て見るには移動に車を使う必要があります。筆者は全て、パスしたようです。 

 このブログでは、斑鳩の法隆寺周辺の3つの寺院を法隆寺2日、各寺毎1日かけて、ご案内することにします。今日は先ず、中宮寺です。近代的な本堂も50年経ち、修復の時期だそうで、本年3月21にまで、ご本尊は宮城と九州の博物館に出張されております。したがって、本日行かれても、身代わり本尊がおられるだけで、像を間近にご覧になることはできないようです。必ず、公式HPで、開催日をご確認ください。

 この中宮寺は聖徳太子のお母さん(穴穂部間人皇后)のための宮をお寺としています。当初は塔、金堂もある、四天王寺式配置の伽藍もありましたが、平安時代以降衰退しました。室町時代に宮家の女性が入寺して、門跡寺院(尼寺)となったそうです。現在の中宮寺本堂は「如意輪観世音菩薩半跏像」を収める御堂で、昭和の建築物です。旧中宮寺跡は広大な遺跡として、すぐ、近くに残っています。

 本尊は「如意輪観世音菩薩半跏像」は国宝です。飛鳥時代の仏像の最高傑作です。黒い肌の仏様ですが、保存のため、漆で塗りつぶしたようです。腰かけに座り、半跏思惟の姿の仏様に魅入られてしまいます。世界三微笑の一つ、アルカイックスマイルを良くご覧ください。

 この仏像の詳細は「原色日本の美術 法隆寺編」*1と「原寸大の日本の仏像奈良編」*2が詳しいので、是非参照ください。「日本の仏像奈良編」では復元予想し、美しい彩色を再現しています。菩薩半跏像は東京国立博物館や他の寺院にも数多くありますが、この中宮寺の半跏像の伏目に瞑想する像は特別でしょう。思わず、手を合わせるはずでしょう。見る角度によって、様々な姿をご覧になれます。

 もう一つ、聖徳大子のお后(橘大郎女)が太子死後の極楽浄土祈願し織らせた、織物(断片)「天寿国繍帳(国宝)」のレプリカがご覧になれます。本物は保存のため、厳重に管理されているようです

*1原色日本の美術② 法隆寺編」小学館編*2「原寸大の日本の仏像奈良編」講談社編


「法隆寺と中宮寺全景」です。法隆寺の夢殿に隣接して、中宮寺が有ります。

「中宮寺と旧史蹟ルート」です。中宮寺と旧史蹟は徒歩10分ほどです。
堂宇の礎石が残っています。法起寺見学の途中にお立ち寄りください。

今日の寺社データ




「中宮寺入り口」です。夢殿に隣接して、入り口が有ります。

「中宮寺本堂」です。昭和のコンクリート製の本堂です。
本堂周囲の萩の咲く頃がお勧めです。

如意輪観世音菩薩半跏像」です。像高さは87cmの小さい仏様です。
当時では寄木造りの像が珍しいそうです。



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