奈良撮り歩き(20)桜井市にある聖林寺を巡る

 今日の奈良撮り歩きは桜井市にある、聖林寺をご案内します。ここ聖林寺にはJRと近鉄線の桜井市駅に下車するのが、便利ですが、バスの便が1本/時しかありません。事前にバス停と時間はご確認ください。奈良の古寺は、京都と異なり、アクセス面でハンデがあります。聖林寺を訪れる際は、単独ではもったいないので、是非、もう1-2箇所いかがでしょうか、

 今回は談山神社と安部文殊院がお勧めコースとなります。筆者は大阪の自宅から、車で廻りましたので、ここと、談山神社の2箇所だけに絞りました。順序は奥の談山神社を先に訪れ、次はここ聖林寺を廻ったと記憶しています。聖林寺はこじんまりした寺院で、江戸時代(享保年間)に名前を変えたようで、元は遍照院と呼ばれていました。

 昔から、近傍で有名な安産の神様です。立派な石像の地蔵菩薩の前でお祈りする、御夫婦がおられます。もう一つは国宝の十一面観音立像でしょう。この、仏像*が、この寺に入るまでのいきさつが、有名です。天平時代に作られたとされる仏像は大御輪寺に保存されていましたが、明治維新直後の廃仏稀釈令で放置される運命にあったそうで、一説には路傍に捨てられたいたともありますが、見かねた、当時の聖林寺の住職(大心和尚)が荷車で引き取ったようです。

 後に国宝制度がわが国でも制定され、第1回目に指定されたとあります。廃仏稀釈のときは、あの興福寺の五重塔、三重塔も驚くような価格で、売りに出される時代だったようです。国宝の十一面観音立像は体躯も大きく(209.1cm)、奈良観音15の一つで天平仏の最高傑作とされ、頑丈なコンクリート製の観音堂におられます。

 おしゃれな仏さまで、着衣の襞、均整の取れた姿は指先まで凛としておられます。ガラス越しですが、思わず、手を合わせます。もう一つ、余り知られていない、秘宝の曼荼羅があります。こちらは、特別公開日が限定されていますので、HPで内容も事前確認が必須です。バス停の時間まで、三輪山と桜井市の遠望をお愉しみください。

 ここ聖林寺から、桜井市駅まで、山の辺の道の徒歩(35分ほど)で戻るのもお勧めのコースです。今日の聖林寺の写真は所在を探し出せず、HPやグーグルの写真を拝借して、ブログをまとめております。尚、十一面観音立像は出張されることも有りますので、事前に確認して、お出かけ下さい。急ぎ足で通り過ぎたようで、この辺りはじっくり、見残した、古寺が数多くあるようです。日本三大文殊の一つ「安部文殊院」見学の失念は残念でした。

*「原寸大 日本の仏像 奈良編」講談社が非常に詳しい資料です。お勧めします。(木質乾漆造)

「聖林寺全景」です。バス停から揺るやかな坂道で4-5分程度です。

「バス停からのルート」です。途中参道の石仏もいくつかご覧になれます。

「桜井市駅へのルート」です。バスも有りますが、
帰りはそぞろ歩きでいかがでしょうか。

今日の寺社データ

・ブログ公開日                  2021/4/3

・登録番号                   奈良撮り歩き20

・場所名                       聖林寺

魅力メモ ウキペデア 聖林寺(しょうりんじ)は、奈良県桜井市にある真言宗室生寺派の寺院。山号は霊園山(りょうおんざん)、本尊は地蔵菩薩、開山は定慧(じょうえ)とされる。国宝の十一面観音立像を所蔵することで知られる。

・アクセス・連絡先 JR桜井線・近鉄大阪線「桜井駅」より奈良交通バス(多武峰、談山神社行)「聖林寺前」下車徒歩5分

・行き先分類                 エリア⑧

                   天理・桜井周辺の寺社

                      聖林寺

・足を伸ばして一緒にいかが        聖林寺、談山神社、安部文殊院

追加エピソード 聖林寺は桜井市街地の南方、北方に奈良盆地を見下ろす小高い位置にある。伝承では和銅5年(712年)に多武峰妙楽寺(現・談山神社)の別院・遍照院として藤原鎌足の長子・定慧(じょうえ)が創建したという。妙楽寺の後身である談山神社は当寺の南方の山中に位置する。当寺の近世までの歴史は不明の部分が多いが、平安時代末期には妙楽寺と興福寺の合戦によって当寺も興福寺に焼き討ちされているが、鎌倉時代に復興している。

・主な行事    

  "マンダラ展開催時(11/1 - 11/30) 金剛界曼荼羅、胎蔵界曼荼羅、星曼荼羅、春日鹿曼荼羅など"

・お勧め建物                本堂

・特殊建物                  観音堂

・お勧め仏像          国宝の十一面観音菩薩、子安延命地蔵

・パワースポット            安産祈願

お勧め庭               山門付近から遠望、三輪山・桜井市内

奈良観光NAVI 和銅5年(712)、妙楽寺(現在の談山神社)の別院として、藤原鎌足の長子である定慧によって創建されたといわれる。天平彫刻の傑作の一つとして非常に有名な木心乾漆十一面観音立像(国宝)は、和辻哲郞が著書「古寺巡礼」の中で絶賛するほどである。現在でも造立当時の姿のまま安置されている。本尊丈六子安延命地蔵は江戸時代の作で、安産と子授けの信仰が厚く、多くの人が祈願に訪れている。多武峰山麓の中腹に位置しており、境内からは三輪山や箸墓古墳をはじめとする大和盆地を一望のもとに見渡すことができる

・その他情報1 712年(和銅5年)、藤原鎌足の長男定慧(じょうえ)の創建で、藤原家の氏寺、妙楽寺(現、談山神社)の別院である。山門からの展望がよく、三輪山が美しく一望できる。近在では安産祈願のお寺としても知られている。国宝十一面観音像は天平彫刻として有名で、日本彫刻史上の代表作の一つに挙げられる。

・その他情報2 国宝の十一面観音菩薩は、もとは大神神社の神宮寺の大御輪寺の本尊だったのですが明治初年の神仏分離令に伴い受け入れられたものです。1891年11月にこの寺を訪れた米人フエノロサに激賞されて以来その芸術的価値が見直されるようになり、その美しいお姿は多くの人々を魅了してきました。高さ約2m、奈良時代の乾漆像中でも最も形態の整った優品で、昭和26年に国宝に指定されています。また境内から見る三輪山をはじめ奈良盆地の眺望もこの寺院の見どころの一つです。  

公的案内            http://www.shorinji-temple.jp/



「聖林寺山門」です。この山門からの眺望はお勧めです。
門前の碑「大界外相」の文字は江戸時代の高僧の筆による。

聖林寺本堂」です。内部に石仏の延命・安産地蔵菩薩が鎮座されています。


国宝の十一面観音菩薩」です。観音堂内にガラス越しのご覧になれます。



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