奈良撮り歩き(25)吉野の金峯山寺を巡る。

  今日の奈良撮り歩きは世界遺産になっている、吉野の金山寺をご案内します。吉野の山桜は標高差に応じて山麓あたりから、順次、開花時期が異なり、3週間かけて、咲いていくことで、有名です。今日の金山寺はその中心をなす寺院ですが、ここも廃仏稀釈の影響を受けた寺です。近鉄吉野駅から、バスとケーブルバスを乗り継いで、下車後、徒歩でいくつかの寺院を巡ることになります。最も奥の「吉野水分神社」まで、バスで行って、山道を下ってくる方法もあります。吉野山については詳しい参考書をお勧めしておきます。(*1)

 筆者はリタイヤ1年後に、山のメンバと雨の吉野に行ったことを思い出しながら、ブログをまとめました。神仏分離、修験道の禁止という、明治政府の施策にもより、多くの堂宇は2つの神社になった、蔵王堂などを残し、寺院は全て壊されたとあります。シンボルの蔵王堂も建立時期は定かでないようですが、6回も火災にあい、その都度、再建され、現在の建物は1592年とあります。

 建物は東大寺大仏殿に次ぐ、檜皮葺きの大堂(高さ28m・正面26m・側面27m)です。本尊は特別公開時のみ、ご覧になれますので、公式HPで時期、時間をご確認ください。金峰山寺の見所はやはり、巨大な本堂と本尊、そして仁王門です。国宝に指定されているには鎌倉時代に作られた、本堂(木組構造、と供〕、長大な柱の林立が見事で、壮観な建築物です。仁王門も国宝に指定されています。新しい草鞋が印象的でした。

 本尊(重文)の「金剛蔵王権現像」は世を救う仏様で、中尊は釈迦如来(730cm)、右尊は千手観音(610cm)、左尊は弥勒菩薩〔590cm〕と巨大な木造製で安土桃山時代ですが、作者は不明だそうです。それぞれ、過去、現世、未来、の世を救う仏様です。青い体色は慈悲を表わすものです。巨大な厨子の中におられ、必見の仏像です。残念ながら、訪れた時は、特別公開ではなく、失念しました。 実物は愉しみに残しておきます。

仁王門(国宝)は三間一戸、人母屋造り、本瓦葺の楼門で、門前町本通りのつきあたり、右段の上に建っています。1456(康正2)年に再建されたもの。高さ5mの仁王像(重文)が鎮座しています

 この金山寺周辺は歴史的(後醍醐天皇御所、秀吉の花見の逗留地他)にも見所の多い寺院があります。時間が許せば、いくつか、足を延ばして、是非、お立ち寄りください。今日の寺社データの後ろに簡単に記載しておきましたので、詳細はHP等をご参照して、お出かけください。

尚、今回で奈良撮り歩きは一時終了します。次回から、数回、和歌山県にはいる予定です。コロナの影響で古寺巡りが中断し、京都・奈良を訪れた手許の写真もほぼ、底をついてきました。再起はまだまだ、先のようです。

*1参考資料:[ひとあじちがう歴史地理探訪、大和を歩く」奈良地理学会編、奈良新聞社

「金峯山寺へのルート」です。近鉄吉野山からバスとケーブルバスを
乗りついで行くことになります。最も奥の「吉野水分神社」から徒歩で
下ってくる方法もありますが、行くバスの便はチェック必須

「金峯山寺全景」です。凡その堂宇の位置はわかります。

「金峯山寺境内案内」です。

今日の寺社データ



桜のエリア別 その他散策先

・吉野神宮 下千本 南朝時代の遺物
 吉野神宮. 明治22年(1889)、​明治天皇により創建。祭神は後醍醐天皇。 社殿は昭和7年(1932)の改築   で、​本殿、拝殿などは全て檜造り。 近代神社建築の代表 作として高く評価されています。

・吉水神社 中千本 南朝時代の遺物
 もとは金峯山寺の格式高い僧坊でしたが、明治の神仏分離によって神社となりました。源義経が弁慶らと身を隠したこと、後醍醐天皇の行宮であったこと、豊臣秀吉が花見の本陣とした等の歴史的逸話で知られています。

・如意輪寺 南朝時代の遺物
 如意輪寺は、奈良県吉野郡吉野町にある浄土宗の寺院。山号は塔尾山。本尊は如意輪観音。本堂の背後には、吉野の地で崩御した後醍醐天皇の陵・塔尾陵、世泰親王墓がある。

・東南院
東南院は、奈良県吉野郡吉野町にある大峰山の持護院で金峯山修験本宗別格本山。山号は大峯山。開基は役行者で役行者霊蹟札所でもある。. 東南院. 役行者の開基と伝えられる、1300年の歴史を持つ寺院。 本堂・多宝塔・庫裡・客殿からなり、鎌倉期の作と伝えられる大日如来・毘沙門天・不動明王などが祀られています。

・竹林院 上千本
竹林院. 聖徳太子の創建と伝わる寺院で、格調高い宿坊としても有名。 護摩堂に安置されている聖徳太子坐像は南北朝時代の作です。 庭園の群芳園は千利休が作庭し、細川幽斎が改修したと .大和三庭園のひとつにもなっています。

・吉野水分神社 奥千本 南朝時代の遺物
吉野水分神社は、奈良県吉野郡吉野町子守地区にある神社。式内社で、旧社格は村社。葛城水分神社・都祁水分神社・宇太水分神社と共に大和国四所水分社の一つとして古くから信仰されてきた。また、「みくまり」が「みこもり」となまり、子守明神と呼ばれ子授けの神として信仰を集めている。社宝として、非公開ではあるが鎌倉時代作の木造玉依姫命坐像(国宝)がある。春にシダレザクラ、初夏にスズランが美しい。
ケーブルバスを下車して、バスでここまで行き順次、各寺院を見ながら、山を下るルートもある。

山寺入り口」です。雨の日の参詣となりました。


山寺本堂(国宝)です。豪雨で写真がかすんでいます。
その他詳細な見所はスライドに整理しております。

山寺仁王門(国宝)」です。階段の上に巨大な門と像があります
雨の中、多くの参拝者で驚きました。





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