奈良撮り歩き(21)桜井市の談山神社をめぐる

 今日の奈良撮り歩きは昨日の聖林寺からさらに山深く入ったところにある、談山神社(多武峰山の標高500m位に建つ)をご案内します。桜井市へは近鉄、JRで行かれたのち、桜井市のコミニュテイバスが有りますので、終点までまいりますと、ここ、談山神社にたどり着きます。(参考までにバス時刻表を添付していますが、直前にご確認ください。)

 帰る途中で、聖林寺バス停で降り、散策後、帰路につかれたらいかがでしょうか。関西の日光と呼ばれる紅葉の名所で、桜の頃にも大混雑する場所でもあります。談山神社の呼びかたは「たんざん」とか「だんざん」どちらが正しいのでしょうか、「談山」は「かたらいやま」と呼ばれます。紅葉の頃は京都の永観堂と比肩する場所です。

 歴史上に出て来る、曽我馬子を滅ぼすため、「中臣鎌足と中大兄皇子」が「大化の改心」を密談した場所で、本殿の背後の「談所の森」がその一画らしい、鬱蒼とした森で、誰に聴かれる心配はないはずの場所ですが、逸話が残っています。奈良の寺社を見学するには、歴史的背景が要求されるようで、資料も多く、説明の文章が長くなるようです

談山神社の前進は「妙楽寺」であって、この辺りは山深い霊域で知られていました。明治の廃仏稀釈の影響で現在の「談山神社」となったそうです。ここは神社ですので、奈良の古寺案内で検索しても、登場しないようです。

 南北朝時代は南方の拠点となり、戦火にあっている。多くの建造物は消失と再建を繰り返したようです。従って、現在ある建造物は比較的に新しく、国宝指定がなく、古い堂宇、伽藍は重要文化財と指定となっている。1番の見所である、木造十三重塔も重文指定となっています。国宝は相輪の受鉢で、奈良国博にある。

 木造十三重塔*は父・藤原鎌足の追福のために、長男・定慧と次男・不比等に よって西暦678年に建立されました。 現存の塔は、享禄5年 (1532)の再建で、木造十三重塔としては、世界唯一のものです。優雅な初重の軒に加え、組物をつけず、わずかな隙間だけ、作って、軒を積み上げた、独特の塔です。相輪も短く、7輪しかありません。一見に値するバランスの取れた、素晴らしい塔でしょう。塔と建造物の写真を多く、撮りましたが、塔を中心に撮ったようです。見落とした所もあるようで、HPなどから、追加して、ブログをまとめております。

*木造十三重塔の構造については、参考資料「日本のかたち 塔」桑子著 山と渓谷社がお勧めです。


談山神社全景」です。寺社が混在する、不思議な神社です。

「談山神社境内」です。簡略ですが、見所が点在しています。


今日の寺社データ


なお、2009年平成21年)12月18日に開通した。奈良県道155号多武峯見瀬線の開通によって、明日香村から多武峰(多武峯)、さらに奈良県道37号桜井吉野線を経て吉野町ふるさと農道を経て宇陀市と結ばれ、奈良県東部の観光地へのアクセス改善が期待され、春の桜、秋の紅葉の頃の大混雑が緩和されたようです。曽我馬子の墓とこの談山神社の仇敵が一本の道で結ばれるまで、時間がかかったようです。


談山神社参道」です。駐車場から、小高い、本殿まで、階段があります。

木造十三重塔」です。これが日本唯一の木造の十三重の塔です。
各層に組物はありません。高さは約17mで
相輪は9輪でなく、7輪と短い

「談山神社本殿」です。豪華な三間社隅木入春日造りです。
他詳細はスライドご覧ください。

「拝殿回廊の吊灯篭」です。バックの木々の紅葉の頃は絶景でしょうか



コメント

このブログの人気の投稿

名作をYoutubeで聴く(29) 山本周五郎&松本清張の作品を聴く

名作をYoutubeで聴く(30) 藤沢周平&乃南アサの作品を聴く

名作をYoutubeで聴く(36) 新田次郎作品を聴く