京都撮り歩き(52)周山街道の高山寺を巡る

 今日の京都撮り歩きは栂の尾の高山寺をご案内します。昨日の神護寺の石段を下りて、周山街道を栂の尾に向かって清滝川上流にを20分ほど歩くと、左に折れる、高山寺の表参道に入ります。高山寺も、兵火で焼かれ、現存する高山寺は石水院(国宝〕だけですが、ここが鳥羽僧正が書いたといわれるあの鳥獣人物戯画*が作られた高山寺です。石水院は鎌倉時代に明恵が後鳥羽上皇の学問所を賜ったもので、国宝建築に指定されています。高山寺にはいくつか寺宝がありますが、仏画、仏典が有名で、寺宝の宝庫とされています。また、日本最古の茶園は山気漂うひっそりとした地にあります。後の世に、宇治に移植され、全国に広まったお茶の源であります。さらに、少し奥の金堂もごらんください。紅葉の時期は奥の金堂までの道は、楓の色で覆われ、評判の紅葉ポイントです。この金堂は比較的新しく、仁和寺の古御所を移したものだそうです。鳥獣人物戯画は京都国立博物館に「委託」されて、ダミーが展示されています。

  *鳥獣人物戯画については下記資料が詳しい。
   ①原色日本の美術8 絵巻物 小学館 秋山著
    甲、乙、丙、丁巻とあり、丙、丁巻は時代が遅れる。甲巻の「蛙と兎」が有名
     何れも、30cmほどの絵巻物12中から13世紀前半の作品
      今日の寺社データ

ブログ公開日
                                 2020/5/24
登録番号
京都撮り歩き(52)
場所名
高山寺
魅力メモ ウキペデア
高山寺(こうざんじ)は、京都市右京区梅ヶ畑栂尾町(とがのおちょう)にある寺院。栂尾は京都市街北西の山中に位置する。高山寺は山号を栂尾山と称し、宗派は真言宗系の単立である。創建は奈良時代と伝えるが、実質的な開基(創立者)は、鎌倉時代の明恵である。もともとここにあった神護寺の子院が荒廃した跡に神護寺の文覚の弟子であった明恵が入り寺としたものである。「鳥獣人物戯画」をはじめ、絵画、典籍、文書など、多くの文化財を伝える寺院として知られる。境内が国の史跡に指定されており、「古都京都の文化財」として世界遺産に登録されている。
アクセス・連絡先
京都市右京区梅ヶ畑栂尾町(とがのおちょう)(JRバス「栂ノ尾(とがのお)」下車徒歩5分)
行き先分類
落西
エリア分類8-4
三尾の寺と周山街道をめぐる
足を伸ばして一緒にいかが
神護寺、高山寺、西明寺
追加エピソード
高山寺のある栂尾は、紅葉の名所として知られる高雄山神護寺からさらに奥に入った山中に位置し、古代より山岳修行の適地として、小寺院が営まれていたようである。今の高山寺の地には、奈良時代から「度賀尾寺」「都賀尾坊」などと称される寺院があり、宝亀5年(774年)、光仁天皇の勅願で建立されたとの伝えもあるが、当時の実態は明らかでない。平安時代には、近隣の神護寺の別院とされ、神護寺十無尽院(じゅうむじんいん)と称されていた。これは、神護寺本寺から離れた、隠棲修行の場所であったらしい。明恵上人は、華厳経にその求法の旅が語られる善財童子を敬愛し、住房には善財五十五善知識の絵を掛け、善財童子の木像を置いていたと言われます。
鑑賞ポイント
石水院 (透かし欄間)
行事・特別公開
お勧め建物
国宝石水院
特殊建物
金堂、佛足石、茶畑
お勧め文化財
数多くの文化財を所蔵するが、建造物を除く指定文化財の大部分は東京および京都の国立博物館に寄託されている。
お勧め仏像
善財童子の木像 釈迦如来座像 (金堂)
お勧め絵画
鳥獣戯画、明恵上人像など
お勧め庭
          個人的には石水院の庭はお気に入り
パワースポット
花暦 花・時期
             紅葉の頃
京都観光NAVI
774年(宝亀5)の開創。1206(建永元)年明恵上人が後鳥羽上皇の帰依を得て高山寺として中興開山した。栄西禅師から贈られたお茶の実を栽培し、苗が宇治へと伝わったことから、お茶の発祥の地として知られる。国宝石水院は、鎌倉時代初期の寝殿造りの面影を残す貴重な遺構。鳥獣戯画4巻(国宝)など、洛西における文化財の宝庫。紅葉の名所。単立寺院。1994年(平成6)12月「古都京都の文化財」として、「世界遺産条約」に基づく世界文化遺産に登録された。
その他情報1
楓の古木が茂り、森閑とした境内は国の史跡に指定されており、紅葉の名所として知られる。 栄西禅師が中国から持ち帰った茶種を開祖・明恵上人が植えたという日本最古の茶園の伝承がある。石水院(国宝)は、明恵上人の住居跡と伝えられており、こけら葺の簡素なたたずまいで、鎌倉時代の住宅建築をしのばせる。国宝鳥獣人物戯画、明恵上人像など数多くの貴重な美術工芸品を所有することでも有名。
その他情報2
高山寺は、2018年9月の台風21号の影響を受け、現在も復興が続いている状況です。スギやヒノキの大木が300本以上倒れ、本尊の釈迦如来を奉る金堂が半壊。明恵上人を奉る開山堂や収蔵庫が損壊するなど、境内全域で大きな被害を受けたそうです。仏像や典籍などの寺宝は幸いにも無事でしたが、被害総額は4億8千万円にのぼるそうです。
現在は補修が完了したようです。
公的案内

「石標」参道入り口にあります。ここから、緩やかな参道があります。
裏参道もありますが、急勾配です。

高山寺入り口です。詳細はスライドをごらんください。
  
国宝石水院内部(善財童子の木像です。詳細はスライドをごらんください。

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