京都撮り歩き(94)東山山麓の三十三間堂(蓮華法院)を巡る

 今日の 京都撮り歩きは一昨日からの連続で、最後に三十三間堂をご案内します。もう一箇所、養源院をご紹介すべきですが、紙面の関係でご容赦ください。こちら三十三間堂は昨日の妙法院の管理する寺院であることは余り知られていません。千体もの仏像*が並ぶのは日本でもここしかありません。京都にこられたら、必見の寺院です。

 修学旅行の子供達は必ず訪れる、重要ポイントです。仏像修理が順次すすめられ、一括で国宝指定となったそうです。千体の中、124体は、お堂が創建された平安期の尊像、その他が、鎌倉期に16年かけて再興された像です。その約500体には作者名が残され、運慶、快慶で有名な慶派をはじめ、院派、円派と呼ばれる当時の造仏に携わる多くの集団が国家的規模で参加したことが伺えます。

 著名寺院の仏像は毎年「お身ぬぐい」というホコリ払いがあるが、ここ三十三間堂では立像が密集しているため、細部の破損を避けるべく清掃はしていないと解説にありました。1000体の中に「心から合いたいと願う人に似た観音様に会える」といわれています。

 仏像の詳細は寺院のHPに詳しく説明されていますので、是非一読ください。昔から、正月恒例の「通し矢」という大的大会 (おおまとたいかい)が行われ、2千人の人が参加する行事も有名です。120m先の矢の到達地点付近には傷が残っているようです。気がつかず、通りすぎる、塩小路通りに面した、南大門(重文の八脚門)も忘れずにご覧ください。さらに、「太閤塀」と呼ばれる、高さ5.3mの築地塀(長さ93m)も有名で秀吉の作った広大な方広寺の遺構の一つです。

*三十三間堂の仏像は次の資料が詳しい

 ①原寸大日本の仏像 京都編 講談社(千手観音・風神・雷神像)

 ②仏像の事典 熊田由美子監修 (秘仏拝観時期他)

 ③京都仏像めぐり JTBパブリッシング編


今日の寺社データ

ブログ公開日              2020/10/11

登録番号                京都撮り歩き(94)

場所名                                                三十三間堂

魅力メモ ウキペデア 三十三間堂は京都府京都市東山区三十三間堂廻町にある仏堂。建物の正式名称は蓮華王院本堂。同じ京都市東山区にある天台宗妙法院の境外仏堂であり、同院が所有・管理している。元は後白河上皇が自身の離宮内に創建した仏堂。本尊は千手観音で、蓮華王院の名称は千手観音の別称「蓮華王」に由来する。

アクセス・連絡先 京阪本線 七条駅 東へ徒歩5分。京都市営バス(86・88・急行100・急行106・急行110・202・206・207・208系統)「博物館三十三間堂前」下車、徒歩すぐ。

行き先分類         東山山麓の寺社

                エリア③-4

      三十三間堂と東山七条をめぐる

足を伸ばして一緒にいかが 国立博物館、三十三間堂、(養源院)、智積院、妙法院、方広寺、豊国神社

追加エピソード 上皇が平清盛に建立の資材協力を命じて旧暦の長寛2年12月17日(西暦1165年1月30日)に完成したという。創建当時は五重塔なども建つ本格的な寺院であったが、建長元年(1249年)の火災で焼失した。文永3年(1266年)に本堂のみが再建されている。現在「三十三間堂」と称される堂がそれである。

鑑賞ポイント

行事・特別公開    正月恒例の「通し矢」

お勧め建物        本堂

特殊建物     南大門 築地塀(太閤塀)

お勧め文化財     下記

お勧め仏像 木造千手観音坐像(附:木造天蓋)木造風神・雷神像木造二十八部衆立像木造千手観音立像(1,001躯)

京都観光NAVI 南北に120メートル。内陣の柱と柱の間数が33あり、木造建築では世界でも類稀な長さ(国宝)。1164年(長寛2)後白河上皇が発願し、平清盛が寄進して創建。堂内には、中尊丈六千手観音坐像(国宝)を中心に千体の等身大千手観音立像、観音二十八部衆像が並ぶ。正月恒例の「通し矢」に因む大的大会で有名。天台宗。

その他情報1  正式名は、蓮華王院で、その本堂が「三十三間堂」と通称されます。これは、東面して、南北にのびるお堂内陣の柱間が33もあるという建築的な特徴によります。「三十三」という数は、観音菩薩の変化身三十三身にもとづく数を表しています。 平安後期、約30年の間、院政を行った後白河上皇が、自身の職住兼備の「法住寺殿・ほうじゅうじどの」と呼ぶ院御所内に、当時、権勢を誇った平清盛の資財協力によって創建したものでした。 ところが、そのお堂は建長元年(1249)、市中からの火災により焼失し、鎌倉期・文永3年(1266)に再建されたのが現存のものです。朱塗りの外装で、堂内は、花や雲文様の極彩色で飾られたといい、今もわずかにその名残を停めています。

その他情報2   地上16メートル、奥行き22メートル、南北120メートルの長大なお堂は、和様、入母屋造り本瓦葺きで、手前からはるか彼方へ一点透視的に漸減する眺めは、胸のすく壮快さです。

公的案内資料 http://sanjusangendo.jp/


こちらが、「三十三間堂通用門」です。七条通りです。
南大門の位置はスライドの地図をご覧ください。

遺構の「太閤塀」です。南側90mもあり、周囲を守っています。

南北120mの木造本堂(国宝)です。

この廊下で通し矢がおこなわれます。内部に1001体の観音様

1001体の観音様 個々の仏像は寺院のHPをご覧ください。






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