京都撮り歩き(102)洛中の本法寺、宝鏡寺を巡る

 今日の京都撮り歩きは、訪れる人の少ない、京都通の人が好みの、本法寺と宝鏡寺をご案内します。第一目的は本法寺でした。この寺は、公開講義を受けていた「重森千青(作庭家、重森三玲のお孫さん)」先生の現地講義の一貫で、訪れた、寺院です。先生の解説は1時間半以上の詳しい内容で、今でも、そのときの資料は残っています。

 この本法寺は、庭園としてだけでなく、寺院としても興味があり、2度訪れました。合わせて、付近も散策しました。市中にもかかわらず、付近には閑静な場所で、本法寺・宝鏡寺と表・裏千家の邸宅、茶道資料館などが、散策できます。さすがに、表・裏千家の邸宅の中は入れないが、垣根越しに佇まいが窺えました。お茶に興味のある方には、市中の喧騒から、離れた、雰囲気で散策をお勧めできる、地域です。

 現地講義がなければ、通り過ぎていた、エリアでしょう。今日は本法寺を中心に御案内します。ここ本法寺は日蓮宗のお寺で、同時期に投獄されていた、「日進」と「本阿弥清信」につながるお寺です。「日進」は「鍋かむり上人」と呼ばれる、時の将軍に施作に反対し、投獄され、拷問に耐えた人です。 一方、「本阿弥清信」は「本阿弥光悦」の曽祖父で本阿弥家はこの縁で家の菩提寺として、本法寺を建立したそうです。

趣味人「本阿弥光悦」作庭の「巴の庭」として、石組の素晴らしい庭が現存しています。内部は庭以外に、いくつか、見所として、長谷川等伯の「大涅槃図」、「多宝塔」などがご覧になれます。隣接する、尼寺の「宝鏡寺」の珍しい人形塚のある、たたずまい、表・裏千家の邸宅付近の散策もあわせて、はいかがでしょうか。尚、「宝鏡寺」は境内は自由拝観できますが、春・秋の特別公開日に内部公開され、天皇寄贈の人形がご覧になれます。このときがお勧めです。


「本法寺」付近の地図です。付近に宝鏡寺、裏・表千家邸宅があります。

今日の寺社のデータ

①本法寺

ブログ公開日               2020/11/7

登録番号                 京都撮り歩き(102)

場所名                   本法寺

魅力メモ ウキペデア 本法寺(ほんぽうじ)は、京都府京都市上京区にある、日蓮宗の本山(由緒寺院)。山号は叡昌山。塔頭が三院ある(尊陽院、教行院、教蔵院)。

アクセス・連絡先 京都市営地下鉄烏丸線鞍馬口駅から徒歩15分。

行き先分類          エリア⑥

           洛中の寺社

         堀川通の東西を巡る

足を伸ばして一緒にいかが     北野天満宮、本法寺、宝鏡寺、裏千家、表千家家元邸

追加エピソード 法華行者として、強い信念をもつ日親は、1439年(永享11年)足利義教の屋敷へ赴き、庭中へ直訴し諌暁を図る。足利義教に「世の中が乱れているのは法華経を信仰していないから」と説いたのである。驚いた幕府は諌暁を禁止する。それでも日親は諦めることなく、身命を賭けた諌暁書「立正治国論」を著したため怒りに触れ、寺を焼かれ投獄される。

鑑賞ポイント       「巴の庭」の石組

お勧め絵画         長谷川等伯「大涅槃図」

お勧め庭         本阿弥光悦「巴の庭」

京都観光NAVI 永享8(1436)年日親上人の創建。日蓮宗。本阿弥家の菩提寺。もとは四条高倉にあり一条戻橋辺に移ったが、天正15(1587)年にこの地に移った。光悦の寄進状を添えた紫紙金字法華経(重文)、長谷川等伯の釈迦大涅槃図(同)など貴重な寺宝がある。庭園「三巴の庭」は光悦作、国の名勝。涅槃会館にて宝物展示あり。境内諸堂のうち、本堂、開山堂、多宝塔、庫裡、書院、大玄関、唐門、鐘楼、経蔵、宝蔵、石橋等、京都府有形文化財に指定されている。開創:1436(永享8)年

その他情報1 「本法寺」(ほんぽうじ)は室町時代に創建された寺院で、日蓮宗の「京都八本山」の一つ。琳派の創始者であり、芸術家の本阿弥光悦を輩出した「本阿弥家」の菩提寺。創建の当時から本阿弥家とは縁深く、安土・桃山時代に現在地に移転した際も本阿弥光悦とその父・光二の支援により寺院の建物が整備されたそう。当時の経蔵と宝蔵は現在も残り、江戸時代後期に再建された本堂・書院などの各種建造物とともに京都府指定有形文化財となっています。

その他情報2 本阿弥光悦により書院前に作庭された桃山時代の枯山水庭園「巴の庭」(三巴の庭)は国指定名勝。3つの(小ぶりな)築山で巴紋を表現することからそう呼ばれるそうで、枯滝・石橋の右手には光悦垣の姿も。またもう一つのこの庭園の特徴である十角形の蓮池は日蓮の「蓮」を表しているそう。ちなみに光悦が芸術村(光悦村)を開くのはこの庭園の作庭よりは後のこと。また唐門を前に作られた枯山水庭園「十の庭」(つなしのにわ、と読むそう)は昭和年代に「巴の庭」を整備した際に作られたものだそうです。

公的案内資料 https://eishouzan.honpouji.nichiren-shu.jp/



「本法寺」はこの仁王門から入ります。市中とは思えない佇まいです。

「多宝塔」です。比較的新しい塔です。

境内の回廊です。緑が深い中にあります。

書院前の枯山水の庭も素敵です。

こちらが、光悦作庭の「巴の庭」です。

石組みで滝を模した有名な作品です。涅槃図は宝物館にあります。

②宝鏡寺

ブログ公開日         2020/11/7
登録番号          京都撮り歩き(102)
場所名            宝鏡寺
魅力メモ ウキペデア 宝鏡寺(ほうきょうじ)は、京都市上京区にある禅宗寺院。宗旨は臨済宗系の単立。近世には皇女が入寺する尼門跡寺院であった。山号は西山(せいざん)。人形寺(にんぎょうでら)、人形の寺とも呼ばれる。普段は拝観できないが、定期的に特別拝観が行われる。

アクセス・連絡先 京都市営地下鉄烏丸線鞍馬口駅から徒歩15分。

行き先分類               エリア⑥
                洛中の寺社
              堀川通の東西を巡る
足を伸ばして一緒にいかが    北野天満宮、本法寺、宝鏡寺、裏千家、表千家家元邸

追加エピソード 正保3年(1646年)、後水尾天皇皇女の理昌女王(久厳尼)が入寺して以降、代々の皇女が入寺する尼門跡寺院となり、土地の名前から「百々御所」(どどのごしょ)とも呼ばれたが、天明8年(1788年)焼失。以降再建された現在の建物群は尼門跡寺院の構成をよく伝えている

行事・特別公開 特別拝観日:3月1日~ 4月3日、11月1日~11月30日

京都観光NAVI 中世京洛に栄えた尼五山の一つであった景愛寺の法灯を受け継ぐ宝鏡寺は、光厳天皇皇女華林宮惠厳禅尼公が、伊勢二見浦で漁網にかかった聖観世音菩薩を奉じて創建・開山。臨済宗単立の尼門跡寺院。百々御所(どどのごしょ)の御所号をもつ。孝明天皇遺愛の人形をはじめ、多くの人形を所蔵、‘人形の寺’として有名。ふだんは非公開だが、春と秋に人形展が開かれる。建立:1370年頃(南北朝時代)

その他情報1 京都の尼門跡寺院には、内親王が入寺することが多く、父である天皇から人形が贈られたとされ、宝鏡寺も孝明天皇遺愛の人形をはじめ、多くの人形を所蔵している。それらの人形を一般公開する人形展が昭和32年(1957年)から実施されるようになった。また、その後人形供養が行われるようになり、昭和34年(1959年)には京人形の振興を目的として境内に人形塚が建立された。人形塚には御所人形像と武者小路実篤の歌が刻まれている。これらのことから、人形の寺と通称されるようになった。
公的案内資料 http://hokyoji.net/


「宝鏡寺」です。本法寺のすぐ隣にあります。
春・秋の特別公開日の内部がご覧になれます。

「人形寺」の由来です。

小さい尼寺ですが、「百々御所(どどのごしょ)」で格式の高い寺院です。

本法寺すぐ、近くに裏千家、今日庵があります。

隣に表千家の不審庵があります。
近くに茶道資料館もあり、お茶がいただけます。













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