京都撮り歩き(106)洛西の妙心寺塔頭・退蔵院をめぐる。 

  今日の京都撮り歩きは妙心寺の塔頭の一つの退蔵院を中心にご案内します。金閣寺、仁和寺、龍安寺と共に、洛西を代表する、名刹揃いの中で、意外と知られていない、臨済宗大本山の妙心寺があります。訪れたときがあいにく、雨が激しく、妙心寺境内を足早にとおりすぎて、退蔵院に急いだことが思い出します。

 妙心寺は臨済宗の古刹で多くの塔頭群(46箇所)に囲まれ、広大な敷地をもつ大本山です。全国に3000以上の末寺もあり、天竜寺もこの妙心寺の域外塔頭の一つです。徹底した、組織運営で、巨大な教団となり。「妙心寺の算盤面」といわれています。禅集の寺院は通常非公開が多く、ここ、妙心寺でも常時、見学できるのは、4箇所(本坊、退蔵院、桂春院、大心院、東海庵(特別公開))程度といわれています。

 他に、すぐ、近くの法金剛院(蓮の寺で有名)、広隆寺(京都最古、弥勒半跏菩薩像)、東映太秦村なども有りますので、時間配分が必須です。

妙心寺本山の堂宇はいずれも重文指定の建造物が直線に並び、壮観さに圧倒されます。総門を抜けると、山門、仏殿、法堂、寝堂、庫裏と並びますが、明智の浴堂(蒸気風呂)と最古の国宝の鐘も忘れずにご覧ください。法堂の天井の「雲竜図」と大方丈は今回、見学をパスしました。妙心寺は禅体験が可能で、早朝6時、宿泊体験もできます。一泊して、朝の妙心寺境内の散策は、お勧めのコースといわれています。

さて、本来の目的地、塔頭の一つの退蔵院をご案内します。本坊のシンプルな庭と違い、こちらは、2種類の庭園がご覧になれ、しだれ桜の頃は多くの観光客がここ、退蔵院を訪れます。一つは「狩野元信の作と伝え、回遊式に観賞式を加味した枯山水の優美な名園」、枯滝、蓬莱山、亀島などの石作りの妙が愉しめます。もう一つは、昭和の名園(余香苑)は中根金作氏の作で800坪の池泉回遊式庭園。年中季節の花が咲き、三段の滝が流れ落ちる、優雅な庭園です。東屋、水禽窟、春のしだれ桜他、季節の彩りが愉しめる庭です。

今回はパスしましたが、同じ塔頭の「桂春院の清浄の庭、思推の庭」、「大心院の牡丹の庭」と「大法院の楓の紅葉」もお勧めの名庭園です、時間が許せば、是非いかがでしょうか。筆者は「京都の門」に少し興味があり、塔頭の玉鳳院(非公開)は応仁の乱を免れた、四脚門の写真を撮ることにしました。紙面の関係で写真はスライドに多く、採り込んでいますので、こちらもご覧ください。


「退蔵院」は南総門入ってすぐ、左手に有ります。
今回は上の北総門から、逆にたどって良行きました。


「退蔵院」と本坊、塔頭群です。
広大な敷地を有す妙心寺山内図です。常覧できる寺院は限られています。


今日の寺社データ

①妙心寺本坊

 簡単に本坊のデータを下に記しておきます。



「北総門」広大な妙心寺入り口です。京福電鉄側です。
仁和寺、天竜寺もあり、このあたりは人気スポットです。


「三門」です。重要文化財です。五間三戸の楼門です。
高さ16m,幅15mも有る重層、入母屋造り


「仏殿・本堂」と伽藍が続きます。奥が大方丈ですが、パスをしました。
参考にいくつか、浴室(明智風呂)、鐘楼など、
境内はスライドに追加していますので、ご覧ください。


②退蔵院

今回は、この庭を目的で訪れました、お勧めの名庭です。できれば、枝垂れ桜の頃、紅葉の頃が特に、お勧めです。



「退蔵院」の入り口です。奥の深い庭園で一見の価値があります。

「枯山水の庭園」です。狩野元信の作といわれています。
詳細はスライドをご覧ください。


余香苑)」です。昭和の庭師「中根金作氏」の作、
広大な庭園で東屋も素敵です。枝垂れ桜と紅葉の頃は混雑

「水禽窟」です。江戸時代に作られたとある。
耳を澄まして、いかがですか。



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