日曜日の古典落語(第103回) 怪談乳房榎&後家殺し

 今週の古典落語は「怪談乳房榎」と「後家殺し」の2席を選んでみました。どちらも、初めて聴く噺です。夏の怪談噺と上方噺の義太夫語りの噺です。最近、演じる人も少ない、演目でしょうか、手許の解説書は「怪談乳房榎」1点のみありました。2席とも、園生の語りが聴けます。
 「後家殺し」は若いときに、義太夫のプロだった園生が、十八番の演目です。上方の「笑福亭松之助」が唯一、同じ演目を演じています。聴き比べが可能です。なお、「後家殺し」は艶のある名前ですが、上手い、義太夫語りへの掛け声です。
 手許には園生の「後家殺し」だけがありましたが、Youtube のおかげで、下の通り、愉しむことが出来ます。どちらも長い噺ですが、是非、お試しください。あらすじを簡単に記しておきますが、やはり、聴くに限ります。今回は亡くなった桂歌丸の語りを愉しみました。
 歌丸の語りが聴けなくなるのは寂しい限りです。今頃、あちらの世界で、園生と古典落語について、語っているのでしょうか。段々、古典落語の巨匠が消えていくのは残念です。

今週の古典落語
日時 2018・8・26
ジャンル 落語
音源 Youtube
演題 怪談乳房榎 後家殺し
演者 六代目三遊亭園生
分類
出典
その他演者名
推薦本 落語CD&DVD名盤案内NA 落語CD&DVD名盤案内NA
古典コテン落語ラクゴ100セキ
演題コメント 絵師として活躍していた菱川重信の妻・おきせに惚れてしまった浪人は、重信の弟子となっておきせに近づき、関係を持たないと子供を殺すと脅迫し、おきせと関係を持ってしまう。さらに、師を惨殺する。夫の死のショックで乳の出なくなったおきせの元に、死んだ重信の亡霊が現れ、乳を出す不思議な榎女房は乳にできた腫瘍を治そうと乳房榎にすがる.辛くも助かった子の真与太郎は,父の亡霊に助けられ,乳房榎で仇討するお噺 伊勢屋という大きな質屋で開かれた会で、「平太郎住家」を一段語ったのが縁となって、そこの後家さんといい仲になり、もう三年越し。後家さんが浮気しているようで、嫉妬し誤って殺してしまう。捕まって,白州で奉行に言いたいことを聴かれた、答えはまさに「後家殺し」というお噺。実際に、高座で義太夫を語る音曲噺なので、「やはり耳で聞いていただくのがいちばん」と、円生も述べていますプロの義太夫語りだった円生ならではのもの

音声のみですが歌丸版

上方の松之助も味があります。

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